いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム10月のテーマは“ポストシーズン実況”
「14時から放送が始まったんだけど、その時は土砂降りに近い雨が降っていて、喋り始めて雨降っていますという情報と野村弘樹さんとどうですかね、やりますかね、試合開始時間が遅れそうですと。始まる様子も見えない」。
ニッポン放送・師岡正雄アナウンサーは、試合開始が63分遅れた2017年10月15日『2017 クライマックスシリーズ セ ファーストステージ 阪神-DeNA 第2戦』の中継が今でも記憶に鮮明に残っている。
「ペナントレースのここまで、第1戦の振り返りをやりながら、雨の情報、状況の話を進めていって、パ・リーグのCSがやっていたので、パ・リーグのCSの話をしながら雨の話、グラウンドの話、ここまでの両チームの話を繰り返しながら、一体どうなるんだろうか、先発ピッチャーがどうだ、と。弘樹さんの過去の経験からここまでの雨は経験ないと言っていたけど、待たされたピッチャーの苦労、集中力を切らさないで野手よりピッチャーの話を細かくしてもらって時間を繋いだ。ちょっと小降りになったかどうかという時に、やる方向だというので、午後3時3分にプレイボール。試合がやるようですというので、この雨の中で、本当に水浸しになっているんですよ。外野も守りづらい。ディフェンスが何を気をつけたらいいか。そんな話を守り方の話を(野村)弘樹さんに、あらゆる角度でこの状況でやる野球、注意点、まず怪我しないようにというようなことを話してプレイボールがかかりましたね」。
放送中継開始からプレイボールが掛かるまで、なんとか話を繋いだ。そして、15時03分にプレイボール。大雨の影響でグラウンドのコンディションが非常に悪く、当時DeNAだった筒香嘉智が空振りをし、転倒した時にユニホームが泥だらけになった。
テレビと違いラジオは、情景描写を細かく伝えなければならないという難しさもある。
「雨の強さは随時(野村)弘樹さんと話をして、目に見えるもの、外野の芝は水が浮いているかどうか、内野は水浸しなど。水浸しじゃないところを探すのが難しいくらい。プレーしている最中に選手が走ったりすると、グラウンドが荒れてくるわけですよ。イニングごとに阪神園芸の皆さんが土を持ってきて、一体甲子園にどれくらいの砂が運ばれてくるんだというのを話したのを覚えていますね。とてつもない量を、そんな話をしたのを覚えていますね」。
試合時間は4時間35分。21安打13得点奪ったDeNAが13-6で勝利し、試合が終了したのは、19時半を過ぎていた。
師岡アナは疲労感は「違いましたね、疲れましたね」と振り返る。「だんだん寒くなってきて、雨で寒くなってくる。普通、14時にプレイボールだったらトイレもギリギリいって、本番中にいかなくてもいいようにやっているんだけど、1時間03分遅れてやっていて、グラウンド整備する、初めて5回が終わる時にトイレを行かせてくれと。5回終わってすっ飛んでいって他の記者が並んでいる。寒いから。前にいる記者たちがモロさん喋っているんじゃないの。中継、間に合わない、いいよ、先いってというのがありましたね」というエピソードも披露した。
日本シリーズ
10月28日からは日本シリーズが開幕する。師岡アナは「日本シリーズは優勝が決まりそうな4戦目以降に担当すると、日本一になるための準備をするし、3戦目ぐらいだと選手たちの過去の日本シリーズの成績、活躍を調べて準備をする。4戦目以降はそれプラス、日本一に向けてという部分の緊張感を伝えるようにやっています」と話した。
日本シリーズの実況は「アナウンサーにとっても、たいていその年の最後の実況になることが多いから、緊張感がありますね」とのこと。ちなみに師岡アナは「19年、20年は俺の前で、日本シリーズが終わってるんだよね(笑)」とポツリ。「回ってこいと思うのと同時に決まったら、少しホッとした感じ。複雑な気持ちだよね」と吐露した。
最後にリスナーに向けて「日本シリーズはたいてい1年ひっくるめてのその年の最後の中継なので、全身全霊を込めてやるはずなので、その辺りをリスナーのみなさんに感じていただきたいと思います」とお願いした。
(ニッポン放送ショウアップナイター)