いつでもみんなのプロ野球!実況アナルーム11・12月のテーマは“ストーブリーグ”
「僕は相当な歳なんですけど、僕の若い頃ナイター中継が終わると、オフは暇でした。仕事がないんですよ。今はみんな忙しく取材を行ったりしていますが、当時は取材がなくて、番組がないからね」
11月21日で82歳となったニッポン放送・宮田統樹アナウンサーは、若手時代のシーズンオフをこう振り返った。
シーズンオフは時間があった関係で、若手時代は報道部からの仕事要請で、年末になると餅つき大会の取材へ行き、年配の方々にインタビューしたことを今でも鮮明に残っているという。
報道部の仕事も時折ありながら、シーズンオフは翌年に向けた実況の振り返りを行っていた。
「昔だったからカセットテープで聴いて、色々ああでもない、こうでもない、解説者の話を生かさなくちゃ、もう一つ突っ込んで質問してもいいんじゃないかなとかね、そういうところですね」。
「あとは映像を描けているかなとかね。今、何回で何対何だよというのがある。それが一番多いのかな。全部聴いてるわけじゃないから、それを盛んに昔から言われていますね。それを注意しながらやっているんだけど、いまだにイニングは何回、得点は何対何、どっちがリード、ピッチャーは誰が投げている、テレビはピッチャーが誰が投げているかわかるんだけど、ラジオは名前を言ってあげないとわからないので、必ず名前を言ってあげる」
「あと、右投手なのか、左投手なのか、それも言ってあげたほうがリスナーの中で、聴きながら映像が出来上がるんじゃないかなとか。左バッターボックスなのか、右バッターボックスなのかなどですね」。
振り返りを行う中で、宮田アナウンサーは「大歓声のもとピッチャー第1球投げましたという実況ができるのか、オフはまたあんな風に元気に喋れるのかなとか、恐怖感みたいなものはありますね」とポツリ。
「おこがましいけど、王さん、若松さんでも来年、シーズンが始まったら“ホームラン1本打てるんだろうか”、“ヒット1本打てるんだろうか”と、考えるらしいんですよ。聴いたことはあるけど、それと同じというとおこがましいですけど、あんなに元気よくテンポよく話せるのかなという怖さは感じますね」。
その恐怖心に打ち勝つため、宮田アナは「それは滑舌ですね。僕はいまだに滑舌練習をやっているんですよ」と明かす。
「一人でぶらぶら歩いて誰もいないと、“あえいうえおあお”とか声を出したりして、それのおかげだと思っているのでね」。
2月の終わりから3月に入ってからは、「ここも大事で少しずつ投げました、打ちましたのテンポもとって、投げて、自分でやりますね」と、オープン戦でもシーズンに向けた準備を行う。
シーズンオフは恐怖感との戦いもあるが、「シーズンオフは、何が一番いいかというと資料付けがないこと。ただ、だんだん年取ってくると資料もいいものだなと思いながらつけてるんですけどね」とニヤリ。
最後に1年間聴いてくださったショウアップナイターリスナーに向けて、「来年も引き続きショウアップナイターをという感じですかね。う〜ん、ショウアップナイターは歴史があって培ったもので、みんな切磋琢磨して厳しい状況できっとやっているから、いいものができるんじゃないかと自負しています」と話した。
(ニッポン放送ショウアップナイター)