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ニッポン放送・師岡正雄アナ「“あとひとつ”が流れた時は鳥肌がたった」寒さを吹き飛ばす熱さを感じた13年日本シリーズ第7戦

ニッポン放送ショウアップナイターで実況を務める師岡正雄アナウンサー

◆ いつでもみんなのプロ野球!実況アナルームのテーマは“今まで一番熱かった試合”

 「2011年に東日本大震災があって、東北地方が甚大な被害を受けて開幕も遅れたりした。そこから2013年に、楽天は初めてのリーグ優勝で、ものすごい盛り上がりを見せ、巨人との日本シリーズ。僕が実況を務めたのは日本シリーズ第7戦なんですよ。現場は冷たい雨が降っていたんだけど、非常に熱かった試合」。

 ニッポン放送で実況を務める師岡正雄アナウンサーは、“今まで一番熱かった試合”に13年楽天-巨人の日本シリーズ第7戦を挙げた。

 「3勝3敗で第7戦、Kスタ宮城は満員だし、隣の陸上競技場はパブリックビューイング。すごい盛り上がりを見せていて、それを見て雰囲気を肌で感じた時から熱さ、東北のファンの日本一にかける気持ち、応援、っていうのがものすごく熱く伝わってきて、すごい一戦だなと思いましたね。本当に楽天が日本一になるための応援。巨人ファンが目立たなくて、すごい日本シリーズだなと思いましたね」。

 楽天、巨人、3勝3敗で迎えた第7戦、楽天・美馬学(現ロッテ)、巨人・杉内俊哉(現巨人コーチ)の両先発による投げ合い。師岡アナは「今でも覚えているのはストレートとコーナーコーナーに決めてくる。特に右バッターのインコースのシュート、巨人の選手はほとんど打てず」と、美馬は巨人打線を6回1安打無失点に抑え込んだ。対する巨人先発・杉内は2回途中2失点で降板し、2番手・澤村拓一(現ロッテ)も失点した。

 3-0の7回からは同年15勝を挙げた則本昂大が2回を無失点に抑えると、9回は田中将大の名前が告げられる。田中は同年シーズンで24勝0敗と圧巻投球も、日本シリーズでは前日の第6戦に160球投げ、完投負けを喫していた。

 「試合は3-0。前日に160球投げた投手が、本当に出てくるかどうかという半信半疑な気持ちで終盤まで喋っていて、8回の攻撃が終わって守りにつくときに、星野監督が小さい声でそのときに田中って言い、場内アナウンスされた時の盛り上がり、拍手、歓声、外は寒いんだけど、雨も降っていたと思うんだよね、そんなの熱気で吹き飛ばす。“あとひとつ”が流れた時は鳥肌がたったよね」と師岡アナは当時を振り返る。

 場内には、田中の登場曲のファンキーモンキーベイビーズの『あとひとつ』が流れ、球場のボルテージは最高潮に達した。田中は走者を出しながらも、最後の打者を三振に打ち取り、楽天は球団初の日本一に輝いた。

 師岡アナは「最後の打者は矢野。今でも最後の1球を覚えているんだけど、アウトローの変化球。多分フォークかスライダーだと思うんだよね、それで空振り三振でのゲームセットじゃない。とにかく完璧なストーリー。楽天が日本一になるための完璧なストーリー。東日本大震災から復興に向けて、星野さんも東北の皆さんに元気と勇気を与えるんだって言い続けてきたシーズンで、それが本当に実った。やっぱりドラマだよね。田中は最後の胴上げ投手として指名されて上がってきた。あの場面で田中が出てきて、2人走者を出した。一発出たら同点じゃない。そこまでストーリーができているわけよ、野球のドラマが。だからすごく俺自身感動して鳥肌が立つような中継だったかな」と興奮気味に話した。

◆ 師岡アナとスポーツ実況

 ドラマのような2013年楽天日本一の実況を務めた師岡アナといえば、サッカーでは日本代表が初めてワールドカップ出場を決めた瞬間、“ジョホールバルの歓喜”を実況し、野球でも第1回、第2回ワールドベースボールクラシックで野球日本代表の世界一を実況した。それでも師岡アナは「やっぱり野球で熱かったのはこれだね」と2013年日本シリーズ第7戦だったと話す。

 何度もスポーツの感動の瞬間を実況としてリスナーに伝えてきた師岡アナにとって、スポーツの現場、実況とはどういったものなのだろうかーー。

 「興奮しすぎちゃいけないんだけど、その場の状況を見ているようにお伝えする。ラジオを聴いている人たちの頭に映像が浮かぶように実況を心がけてスポーツ中継はやっているし、自分が冷めてたら聴いている人も…。心は熱く頭は冷静に。そこからの現場での雰囲気の押し引きをしながら、感動をお伝えする」。

 生中継の中、自分自身も試合に入り込んでしまい興奮してしまう瞬間もあったりと、難しさがありそうなところ。

 「難しいよね。目の前に起こっていることをできるだけ正確にお伝えしようという気持ちもあるし、現場の盛り上がりをお伝えしようというのもあるし、ラジオを聴いている人たちにはテレビの映像と音声での盛り上がり、これをお伝えしようと思う気持ちはあるね」。

 話をプロ野球に戻すと、8月に入り、優勝争い、クライマックスシリーズ進出争いが本格化していく。「8月は本当に何が起こるかわからない。何が起こるかわからない8月に何を起こせるか。各チームが。そこがポイントだと思うね。阪神がこのまま突き進むのか、もしかしたらアクシデントがあるのか。怪我人が出るかもしれないしね。巨人だって岡本が戻ってきて一気に上がる可能性もある。本当に生物でわからない。勝負の8月と言われる8月。ペナントレースを熱くするのは本当にどこなのか、それは楽しみですね」と師岡アナ。この夏も“熱い実況”でショウアップナイターの中継を盛り上げる。

(ニッポン放送ショウアップナイター)

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