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ヤクルト・池山新監督が就任会見「ワクワクするような野球をしていきたい」

ヤクルト・池山隆寛新監督が10日、東京都内で就任記者会見に臨んだ。自身が選手として初めてリーグ優勝を経験したのは1992年10月10日。33年の月日が経ったこの日、チームの再建を託されることになった新指揮官は、緊張の面持ちで意気込みを述べた。
一問一答は以下の通り。
ーーまず初めに、池山監督、よろしくお願いします。
「皆さんこんにちは。このたび一軍監督に就任いたしました池山隆寛です。どうぞよろしくお願いします」
ーー東京ヤクルトスワローズの監督就任が決まって、このようにカメラの前で発表されて、いま、どんなお気持ちでしょうか。
「そうですね。緊張と…でも、めちゃめちゃ嬉しい気持ちでいっぱいです」
ーー監督就任を要請されて、それを受けるという決断に至った理由を教えてください。
「決断ですか?即決でした。はい」
ーー特にことしは苦しい戦いでしたが、そのあたりの逡巡というのはありませんでしたか。
「二軍監督をしながら、一軍の試合の動向も見ていたんで。同じようにたくさん負けたので、僕も苦しかったし、一軍も苦しかったと思います」
ーーそれを立て直そうという、そういう意気込みでしょうか。
「そうですね。上を向くしかないので。はい。自分も大変ヤクルト球団にお世話になったので、こんどは恩返しをする番だな、と。そういうチャンスをいただいたなと思っています」
ーー続いて小川GMに伺います。池山監督要請の理由と、それから池山新監督に期待することを教えてください。
小川淳司ゼネラルマネジャー:「林田社長のコメントもすでに出ているとおり、それとマスコミ各社の方の報道されているとおり、チーム再建ということが全てになると思います。で、今のヤクルトのチーム状況、選手の状態、これをすべて知り尽くしてるのが池山監督であり、そういったところで監督要請という風になりました」
ーー球団としては池山監督をどのようにバックアップしていくのか、そのあたりのプランがあればお聞かせください。
「もちろん、まずは若い選手を鍛えて戦力の底上げということをまず期待しますし、また、それで足りないところを編成面でバックアップをするということになると思います」
ーーでは、もういちど池山監督に伺います。チーム再建を託された。このことについてはどうお考えでしょうか。
「うちの4番・サードの動向がすごく気になりますけど。非常に大きなポジションだと思っていて、正直、居てほしいですけど。彼の夢、彼を目指している子どもたちの夢を背負って、彼を応援したい気持ちはいっぱいなんですけど、そこが抜けてしまうと、全くやはり白紙のところからスタートしないといけないなっていう風に思っています」
ーーここ、いちばんファンも知りたいことだと思いますので、もう少し詳しく伺いますが、村上(宗隆)選手がメジャー挑戦を表明して、球団もそれを容認している。まず池山監督、一選手として彼の挑戦をどう感じているのか。それから4番・三塁が抜けるこの穴をどのように埋めるのか。どうお考えでしょうか。
「もう、夢に向かって応援するだけです。あとは…彼の穴は、三冠王も獲っていますし、相当大きな穴だと思っているんで、彼の穴は埋めることはできないかもわかりませんけど、みんな手を取り合って力を合わせれば。必ず埋められるように頑張りたいと思います」
ーー監督としての大きな話を伺ってまいります。これから監督として活動していく中で大切にしていきたいことがあれば教えてください。
「自分の力は本当に微力だと思いますけど、コーチと手を取り合って、ヤクルトを強くするためにどうしていこうかっていうことをやってきて、この2軍の6年間で少し成長している自分もいると思うので、一日一日、自分も勉強しながら選手と成長し、人気のある強いチームを作りたいなと思っています」
ーーご自身は野村(克也)監督の下でヤクルト黄金時代に活躍されてきましたけれども、理想のチーム、理想の野球というのがあれば教えてください。
「理想の野球は、やはり自分も野手でしたので、打ち勝つチームを作りたいんですが、4番が抜けますし、投手部門10傑に誰ひとり名前がないので。エースっていわれる選手がいないので、そこは一人でも二人でも、そういう柱になるような選手を作っていきたいなと思っています」
ーー池山監督は6年間、二軍監督もされてきました。その中で、ヤクルトというチームの強みはどのあたりに感じているでしょうか。
「ヤクルトの強みというのは、ほんとにフレンドリーというか、選手間の助け合い、チームワークだと思っています。そういうところが、やはり負けてしまうと弱く感じられると思いますけど、やっぱり心底しっかりと、一丸となってやるのがヤクルトというチームだと思います」
ーーエースを作るという話もありましたが、
もっとも強化すべきポイントは来年に向けてどこでしょうか。
「もう全てのところだと思いますけど、やはりしっかり、やる気と、責任と、というところを野球にぶつけてもらえれば、どこのポジションも上がってくると思いますので、そこを一生懸命、私は見ていきながら、しっかりコーチと助け合ってやっていきたいなと思っています」
ーー二軍監督時代の話も少し伺いたいんですが、ちょうど奥川(恭伸)投手、長岡(秀樹)選手、武岡(龍世)選手の1年目、二軍監督で指導されてきて、たくさんの若手を育成してきたと思います。一軍の監督になって、来年活躍してほしい選手、チームの柱になってほしい選手、何人か挙げていただきたいんですが。
「ピッチャーで言えば奥川、高橋奎二、この二本がしっかりしないといけないなとは思っています」
ーー野手に関しては。
「野手に関しては、そうですね…4番がいいないので、そこからの打線の組み方というところは、これからのドラフト、やはり補強とか、というところになってくると思うので、その辺はまだ、これからの楽しみだと思っています」。
ーこれから球団との話し合いもあるかと思うんですが、現時点で、この先のドラフト会議、それから主力選手のFAなど戦力面での動きもあると思います。どういうところを補強していきたいか、現時点での考えをお願いいたします。
「もう、(補強)できるところはすごく。ホームランを打てる打者であったり。FAは選手の特権ですので。なかにはFAを取って残ってくれる選手もいましたし、そういうところはしっかり球団にお任せします」
ーー池山新監督が来シーズン目指すものを教えてください。
「本当にチームワークっていうところを。しっかりコーチ陣と連携をとって、私の扉はずっと開いていますので。しっかり話し合いをし、連携をとって、素晴らしい応援してくれるファンの方がたくさんいますので、よりワクワクするような野球をしていきたいなと思っています」
ーあまり順位や結果についてはこの場では言わない?
「順位ですか?もう、上しかありませんので。はい。目指すところは上を向いてしっかり。ことしに限っては、春先から借金が、そのまま後半まで響いてしまった、というところがあるので、やはり前半の戦い方や、当然、夏の暑さのところも戦いに加わってくると思いますので、1年間を通しての戦い方を考えないといけないなという風に思っています」。
ーーそうすると、秋のキャンプは思い入れのある(愛媛・)松山からだと思うんですけれども。ここからもう、強化は始まっていくと考えていいですか。
「そうですね。行く人選はこれからだと思うんですけど。まあ、初めて監督になって、自分が現役からお世話になった松山に帰れることが、いちばんスタートになると思いますので」
ーーでは、最後になりますが。沢山のスワローズファンの皆さんに向けて、来シーズンへ向けての意気込みとメッセージをお願いいたします。
「神宮球場の最終戦、モニター越しで見ていて、満員の観衆の中で指揮を執れるということは、すごくゾクゾク、ワクワクしました。ことしも200万人以上のファンの方が球場に足を運んでいただいたので、私もその指揮を執る中、沢山の応援してくれるファンに、楽しい、緊張のある、ワクワクするような試合を見せていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします」
ーー二軍監督を6年務められてきて、監督自身の監督としてのスタイルがあるかと思いますが、一軍になっても続けていきたいことだったり、貫きたいことは何かありますでしょうか。
「良かったことは続けていきたいと思っています。話し合いが非常に大事なことだなってつくづく痛感していますので、そのスタイルは変えていきません。もう、上からっていうときでもないですし、まあ自分のスタイルは一生懸命さだけなので、そこは貫いていきたいなと思っています」
ーー目指すチーム像はもちろんあると思うんですけど、目指したい理想の監督像みたいなものは何かあるでしょうか。
「いろんな監督を見てきましたんでね。その辺、いいとこ取りを自分の監督スタイルで見せていきたいなと思っています」
ーーチームワークの良いチームを作っていきたいとおっしゃっていた中で、選手にこれだけは守ってほしいということはあるでしょうか。
「とにかく一生懸命、自分のプレーを見せてください」
ーーチームは3季連続でクライマックスシリーズ進出を逃しているという苦しい状況ではありますけれども、なかなか一足飛びに状況を改善するというのも難しいかとは思うんですが、監督自身はどういうステップでチームの再建を進めていきたいとお考えでしょうか。
「いいときもあれば悪いときも必ずある、と思うんですけど、そこでどうやって踏ん張るかっていうところが一つの鍵になってくると思いますし、戦い方…数字でいくと(同一カードで)1勝2敗か、2勝1敗か、そこの差が、やっぱり140以上の試合を重ねると、差がどんどん開いていくというところなので。当然、勝ち負けがつきものになってくると思うので、そこでいかに食い止めるかっていうところが一つ鍵になってくると思うので。波が必ずあると思うので」
ー現時点で上位チームとヤクルトとの大きな差と言いますか、どういったところが差になっていると感じていますか。
「当然、大きな連敗をしない、苦手を作らないっていうところが鍵になってくると思うんですけど。そういうところをしっかり、どこがいけなかったのか、というところもしっかり踏まえながら、ことしの反省を踏まえて、来年にまた活かしていきたいな、という風に思っています」
ーー秋季キャンプの話がありましたけれども、監督としては、どういうテーマを持って最初のキャンプに臨んでいきたいでしょうか。
「今の選手たちの情報がすごい量なので、コーチも大変な時代になってきています。そこもやっぱり選手とコーチで詰めて話し合って、どういう風な選手を目指すのか、という時間にしていきたいし、秋のキャンプの後、すぐ12月に自主トレで、一生懸命練習をする選手が多いので、いかにその自主トレに向けて、練習の取り組み方とかも話し合って。やはり、ことしはけが人が多かったので、どうやってけがしていったか、というところもね、検証しながら選手の練習も進めていかないと。1年間、尻すぼみになってしまったというところが、ことしの反省点だと思うので、若手のレベルアップも期待するんですけど、そういう取り組み方とかというところも話し合って見ていきたいなとは思っています」
ーーそうすると、秋のキャンプはいきなりビシバシやっていくというよりも、しっかり対話をしながら、選手を見ながら、じっくりやっていきたいという考えですか。
「そうですね、結果を秋は求められないので、来年に向けてどういう風に形を育てていくか、どういう選手になるかに向けて、どこの長所を伸ばしていくかというところが最優先だと思っています」
ーーここ最近、ファームでヤクルト球団を見ておられて、自身もプレイヤーとして黄金期を経験しているわけですけど、今のスワローズに足りないもの、ここがもっと必要じゃないかと思うところがあったら教えていただけますか。
「長打を打てる選手、というところでいえば、昨年けがをしました澤井が、調子、体調も戻してきてまして、来年かなり期待できる選手だと思います。ただ、今のヤクルトは、もう少し元気っていうところをね、前面に出してほしいなという風に思っています。それが私に与えられた、二軍から一軍へというところの役目だと思います」
ーーヤクルトは伝統的にフレンドリーだというお話がありましたけれども、池山さんであり、古田(敦也)さん、青木(宣親)さんも野球の一つ一つプレーや勝負そのものへの執着がすごく強くあったんじゃないかと思いますけど、そういう部分はどのようにお感じになっていましたか。
「執着、相手に負けない気持ちを前面に出していくと思うので、そういうところがない、ということではないと思いますけど。しっかり、相手と勝ち負けになるところで執着して勝っていかないと、というところは当然、一軍に求められることだと思いますので、選手には、そういうところも踏まえて一生懸命プレーをしてくださいっていうところですね」
(取材・撮影=ニッポン放送アナウンサー洗川雄司)