コラム

個人成績がチームの順位に直結! 2017年・開幕投手を振り返る

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西武・菊池雄星(C)KYODO NEWS IMAGES

「チームの命運を託す」は大げさではない


 強力な打線に投手陣、堅固な守備、高い走塁意識など、圧倒的な総合力を誇るソフトバンクが2年ぶりに日本一に輝いて幕を閉じた2017年のプロ野球。その幕が上がったのは3月31日。各球団の“開幕投手”たちが、記念すべき初戦のマウンドに上がった。

 「たかが143分の1」ではないとよく言われる開幕戦。首脳陣が彼らに託したのはチームの命運だ。だとすれば、彼らの出来とチームの成績にもいくらかの関係性があるはず。シーズンが終わったいま、開幕投手たちの今季成績をあらためて振り返ってみたい。

【12球団開幕投手の今季成績】
▼ セ・リーグ
ジョンソン(広島)   13試(76.1回)  6勝3敗 防4.01 WHIP1.36
メッセンジャー(阪神) 22試(143.0回) 11勝5敗 防2.39 WHIP1.24
石田健大(DeNA)    18試(106.0回) 6勝6敗 防3.40 WHIP1.17
マイコラス(巨人)   27試(188.0回) 14勝8敗 防2.25 WHIP0.98
大野雄大(中日)    24試(147.2回) 7勝8敗 防4.02 WHIP1.31
石川雅規(ヤクルト)  23試(123.1回) 4勝14敗 防5.11 WHIP1.44

▼ パ・リーグ
和田 毅(ソフトバンク) 8試(47.0回)  4勝0敗  防御率2.49  WHIP0.89
菊池雄星(西武)     26試(187.2回) 16勝6敗  防御率1.97 WHIP0.91
美馬 学(楽天)     26試(171.1回) 11勝8敗  防御率3.26 WHIP1.10
金子千尋(オリックス)  27試(184.1回) 12勝8敗  防御率3.47 WHIP1.17
有原航平(日本ハム)   25試(169.0回) 10勝13敗 防御率4.74 WHIP1.38
涌井秀章(ロッテ)    25試(158.0回) 5勝11敗  防御率3.99 WHIP1.32


“走者を出さない”投球


 こうして見ると、開幕投手の成績とチームの順位の間にはかなり強い関連があるといっていいだろう。特に中日、ヤクルト、日本ハム、ロッテという下位のチームは、開幕投手が期待されたような成績を残せていない。

 防御率は涌井秀章(ロッテ)がかろうじて3点台だが、残る大野雄大(中日)、石川雅規(ヤクルト)、有原航平(日本ハム)は4点以上。石川に至っては、キャリアワーストの防御率5.11と打ち込まれ、10もの借金をつくってしまった。

 一方、上位を見てみると、独走Vを果たした広島のジョンソンは3つの貯金を作りながら防御率は4.01。これは7.01と異常なほど高い援護率に助けられてのものだろう。チーム打率.273を誇る打線こそが広島最大の武器だということを思えば、ジョンソンの成績はまさに象徴的だ。

 左肘の手術により長期離脱があった和田毅(ソフトバンク)は、8試合の登板にとどまるも4勝無敗、防御率2.49という安定感はさすがとしか言いようがない。

 その中でほれぼれするような成績を残したのが菊池雄星(西武)。沢村賞の選考基準7つのうち5つを満たしながら受賞は逃してしまったが、初の個人タイトルである最多勝、最優秀防御率に輝いた。チームの4年ぶりのAクラス入りは、菊池の飛躍的成長によるところが大きいだろう。


 興味深いのが、1回あたりに許した走者の数であるWHIP。セ・リーグにはバラつきがあるものの、パ・リーグは開幕投手のWHIPが小さい順にチーム順位もほぼ並んでいる。やはり、投手にまず求められる“走者を出さない”投球の可不可が勝敗を大きく左右しているようだ。

 「開幕戦はただの1試合ではない」「開幕投手にチームの命運を預ける」とは球界の常套句だが、開幕投手の今季成績を見る限り、まさにその通りだといえそうだ。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)


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