コラム

いま働かないでいつ働く!? 29年ぶりの日本一に必要な西岡剛と福留孝介の力

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今シリーズはともに打率1割台と低迷している福留孝介(左)と西岡剛(右) © KYODO NEWS IMAGES
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強力クリーンアップの前後を担う 西岡と福留がシリーズで沈黙


 2014年の球界を締めくくる日本シリーズは10月28日までに3試合を消化。阪神は、パ・リーグ覇者・ソフトバンクに1勝2敗とリードを許している。

 シリーズ開幕戦では、昨季までの同僚・スタンリッジを打ち崩し快勝を収めた阪神だったが、続く第2、3戦のソフトバンク先発、武田翔太、大隣憲司の前に打線は沈黙。CSを無敗で勝ち上がった勢いを完全に止められた格好だ。

 第3戦の阪神先発は2年目の藤浪晋太郎。シーズン中に何度も顔をのぞかせた安定感の欠如がこの試合でも見られ、半ば自滅ともいえる敗戦であった。ただ、西岡剛の野選がなければ、5回2/3を2失点と試合は作っており、強くは責められない。

 それよりも問題はやはり打線である。敗れた2試合はともに1得点。これでは、球界屈指の破壊力を誇るソフトバンク打線に対する投手陣への負担が大き過ぎるというものだ。

 今季の阪神打線の象徴は、打点王・ゴメスを中心に、鳥谷敬、マートンで構成する強力なクリーンアップ。打点の4割以上をその3人でたたき出してきた。逆にいえば、それ以外の得点パターンがほとんどない。

 そこで重要となってくるのが、その前後の打者だ。1番・西岡剛、6番・福留孝介は、シリーズに入ってともに打率1割台に沈む。CSファイナルステージで阪神が巨人を圧倒できたのは、二人が機能していたからである。西岡はリードオフマンとして出塁し、福留は両外国人との勝負を避けさせない打撃を見せていた。ソフトバンクからすれば、打たせたくない二人をきっちり抑えているからこそ、勝利という結果につながっているのだ。


今こそ持てる経験、技術、さらには“気持ち”を見せるとき


 思えば、今季の阪神は、その二人を襲ったアクシデントから始まった。開幕わずか3試合目の巨人戦。ライト前に上がった飛球を追った二人は激しく衝突。その後、西岡はシーズンのほとんどを棒に振り、福留も後遺症による極度の不振に苦しんだ。

 かつての暗黒時代を抜け出し、上位争いの常連となった阪神だが、日本シリーズ出場は9年ぶり。現在の主力野手でシリーズの出場経験があるのは、鳥谷と福留、西岡だけである。

 福留はシーズン最終盤、西岡はCSに入ってようやく期待される働きを見せたが、日本一をかけた大一番を迎えた今こそ、持てる経験、技術、さらにいえばナインをリードする“気持ち”を見せるときではないのか。

 10月29日の第4戦は、2勝2敗のタイに持ち込むか、それともソフトバンクに日本一の大手を許すか、シリーズの勝敗を左右する重要な一戦だ。両ベテランの発奮なくして、阪神29年ぶりの日本一はない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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