コラム

2020年に「スーパー・バレンティン」が再来?今季のココは一味ちがう

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第4回WBCでは大活躍だったバレンティン
2020.03.22 13:00
福岡ソフトバンクホークス 試合前 千葉ロッテマリーンズ
PayPayドーム

ロッテとの練習試合で好スタート


 今季からソフトバンクに加入したバレンティンが「やる気」に満ちている。


 3月22日に行われたロッテとの練習試合では、四球で出塁した2回に明石健志(ソフトバンク)の左前打で二塁に進塁すると、続く栗原陸矢(ソフトバンク)の打席でワンバウンドとなった西野勇士(ロッテ)の投球を捕手・田村龍弘(ロッテ)が弾いた瞬間にすかさずスタートを切り、巨体を揺らす全力疾走で三進。西田哲朗(ソフトバンク)の中前適時打を呼び込み、先制のホームを踏んだ。

 もちろん、最大の武器である長打力も相変わらず。5回二死一塁の場面では、西野の抜けたフォークを完璧にとらえ、左翼スタンド上段に到達する特大の勝ち越し2ランをマーク。前日のロッテとの練習試合に続き、2戦連続でバレンティンらしい豪快弾を披露した。

今季のバレンティンは、キャンプやオープン戦からその全力プレーが目を引く。3月1日の阪神とのオープン戦では、四球で出塁した4回に、松田宣浩(ソフトバンク)が右翼線へ強い打球を飛ばすと、激走を見せて一塁から一気に本塁に突入。迫力満点のスライディングで生還し、両手をたたいて喜びを表した。


モチベーションを上げるソフトバンクという球団


 「気持ちにムラがある」と評されることもあったバレンティンだが、逆に見れば、しっかりとモチベーションを保つことができれば、その並外れた力を遺憾なく発揮してくれると言えるのかもしれない。

 野球ファンのあいだで「スーパー・バレンティン」とも呼ばれる、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC/2017年)での活躍、そしてそのやる気満々ぶりが強く印象に残っているというファンも多いだろう。

 当時のバレンティンは、母国の代表として国際試合に出場するということの他、メジャー復帰を意識しており、まさにモチベーションの塊だったはずだ。そのWBCでバレンティンが残した数字は、打率.615(26打数16安打)、4本塁打、12打点という驚異的なものだった。

 そして今回は、今季から所属するソフトバンクというチームが、バレンティンに強いモチベーションをもたらしている。常に優勝争いをするソフトバンクの場合、貪欲に勝利を目指す強い意欲がチーム全体に浸透している。また、選手層が分厚いことも、バレンティンのメンタルに影響を与えているはずだ。

 国内FA権を取得しているバレンティンは外国人枠の規制を受けることはないが、自身が加入したことでチーム内のレギュラー争いは激化している。外野手には、柳田悠岐をはじめ、中村晃、長谷川勇也、上林誠知、牧原大成、周東佑京など、日本人だけでも全国的に名が知られた実績十分の選手や期待値の高い若手が名を連ねる。

 そこに、キューバに一時帰国しているデスパイネとグラシアルが戻ってくれば、DH枠も含めてレギュラー争いはさらに激しさを増す。そのレギュラー争いを勝ち抜くため、今季のバレンティンは、高いモチベーションを保てているに違いない。

 開幕は再び先延ばしとなったが、今季のバレンティンンからは引き続き目が離せない。


文=清家茂樹(せいけ・しげき)
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