コラム 2020.06.26. 07:09

伝説の左腕にトルネード、甲子園の申し子も…「大阪の高校」出身者でベストナイン組んでみた

無断転載禁止
超豪華メンバーに、現役から名を連ねたのは… (C) Kyodo News

日本一の“野球どころ”


 プロアマ野球研究所(PABBlab)では今年5月、全国の強豪校出身選手でベストナインを選出する記事を本サイトに寄稿したところ、大きな反響があった。


 そこで、今月は『ベストナイン』企画の続編として、都道府県単位に対象を広げてベストナインを選出してみようと思う。なお、投手については候補が多いため、プロ野球のオールスターファン投票と同様に先発・中継ぎ・抑えの3部門に分けた。

 第1回は、やはり全国一の野球どころである“大阪”。ちなみに、出身地は関係なく、あくまでも「大阪の高校出身」の選手からピックアップしている。


「大阪の高校出身者」ベストナイン


<先発投手>
野茂英雄(成城工)
[日米通算] 462試(3027.2回) 201勝155敗1セーブ・0ホールド 防3.86

<中継ぎ投手>
上原浩治(東海大仰星)
[日米通算] 748試(2064.1回) 134勝93敗128セーブ・104ホールド 防2.94

<抑え投手>
江夏 豊(大阪学院大)
[通算] 829試(3196.0回) 206勝158敗193セーブ 防2.49

<捕手>
矢野燿大(桜宮)
[通算] 1669試 率.274(4921-1347) 本112 点570 盗16

<一塁手>
清原和博(PL学園)
[通算] 2338試 率.272(7814-2122) 本525 点1530 盗59

<二塁手>
立浪和義(PL学園)
[通算] 2586試 率.285(8716-2480) 本171 点1037 盗135

<三塁手>
中村紀洋(渋谷)
[日米通算] 2284試 率.266(7929-2106) 本404 点1351 盗22

<遊撃手>
松井稼頭央(PL学園)
[日米通算] 2543試 率.285(9492-2705) 本233 点1048 盗465

<外野手>
張本 勲(浪華商)
[通算] 2752試 率.319(9666-3085) 本504 点1676 盗319

福本 豊(大鉄)
[通算] 2401試 率.291(8745 -2543) 本208 点884 盗1065

土井正博(大鉄)
[通算] 2449試 率.282(8694-2452) 本465 点1400 盗78

<指名打者>
中村剛也(大阪桐蔭)
[通算] 1664試 率.256(5729-1467) 本415 点1166 盗26
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点


その他の候補


<投手>
黒田博樹(上宮)
[通算] 533試(3340.2回) 203勝184敗1セーブ・0ホールド 防3.51

桑田真澄(PL学園)
[日米通算] 461試(2782.2回) 173勝142敗14セーブ・3ホールド 防3.59

前田健太(PL学園)
[日米通算] 355試(2098.2回) 144勝102敗6セーブ・9ホールド 防2.80
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

<捕手>
森 友哉(大阪桐蔭)
[通算] 595試 率.298(1992-594) 本74 点332 盗14
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

<内野手>
加藤英司(PL学園)
[通算] 2028試 率.297(6914-2055) 本347 点1268 盗136

宮本慎也(PL学園)
[通算] 2162試 率.282(7557-2133) 本62 点578 盗111

中田 翔(大阪桐蔭)
[通算] 1303試 率.253(4828-1220) 本226 点829 盗13
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

浅村栄斗(大阪桐蔭)
[通算] 1256試 率.285(4628-1317) 本180 点737 盗69
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

山田哲人(履正社)
[通算] 964試 率.297(3598-1068) 本202 点583 盗168
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点

<外野手>
新井宏昌(PL学園)
[通算] 2076試 率.291(7011-2038) 本88 点680 盗165

福留孝介(PL学園)
[日米通算] 2462試 率.283(8456-2395) 本322 点1240 盗105
☆現役
※成績は昨シーズン終了時点


ほとんどメジャーリーガー!大激戦の投手部門


 まず投手だが、先発は一人選ぶとなると野茂になるだろう。

 高校時代は全国的には無名の投手だったものの、社会人・新日本製鐵堺に進んで急成長。2年目にはアマチュア日本代表としてソウル五輪にも出場し、1989年のドラフトでは現在でも最多タイ記録である8球団から1位指名を受けて近鉄に入団した。

 日本では4年連続で最多勝と最多奪三振をマークし、メジャーでも2度のノーヒット・ノーランを達成。メジャー通算123勝は、現在でも日本人投手でトップの数字である。


 高校時代の“無名度”で言えば、野茂を上回るのが上原だ。

 チームのエースは建山義紀(元日本ハムなど)で公式戦の実績はほとんどなく、高校卒業時には一般入試で大阪体育大を受験するも不合格となっている。しかし、一年間の浪人期間中にトレーニングを積んだことが奏功して大学で急成長。3年時には国際大会151連勝中のキューバを破るなどの活躍を見せた。

 巨人入団後も1年目から20勝をマークするなど、エースとして活躍。2009年に念願だったメジャー移籍を果たすと、2013年にはレッドソックスでクローザーを任され、ワールドシリーズで優勝投手にもなった。

 日本に復帰した2018年には、日米通算記録ながら史上初となる100勝100セーブ100ホールドも達成している。


 江夏はバランスを考えて抑えとして選んだが、先発としても2度の最多勝を含む206勝の大投手。プロ入り1年目から6年連続で最多奪三振を記録しており、特に1968年に記録したシーズン401奪三振は不滅の記録と言われている。

 南海に移籍後、リリーフに転向してからもプロ野球最多タイ記録となる5度の最優秀救援のタイトルを獲得するなど活躍し、優勝請負人と呼ばれた。


内野手はあの名門から…


 捕手は現役の森が伸び盛りだが、通算成績で一人選ぶとすれば矢野になるだろう。

 高校では無名だったものの、東北福祉大では大学を代表する捕手となり、ドラフト2位で中日に入団。当時は中村武志が不動の正捕手でなかなか出場機会に恵まれず、1998年にトレードで阪神に移籍してから本格化した遅咲きの選手である。

 古田敦也(ヤクルト)や谷繫元信(横浜→中日)といった名捕手たちと同時期にプレーしながらも、ベストナイン3回にゴールデングラブ賞は2回獲得。チームの2度のリーグ優勝にも大きく貢献するなど、間違いなく阪神の歴史に残る名捕手と言えるだろう。


 内野手はPL学園から清原、立浪、松井の3人を選出。残るサードは迷ったが、中村紀洋を選んだ。

 渋谷では2年時に4番打者として甲子園に出場。ちなみに、大阪から府立高校が甲子園に出場したのはこれが最後となっている。

 ドラフト4位で近鉄に入団すると、“いてまえ打線”の中核を担い、2001年にはリーグ優勝に大きく貢献。2005年にはメジャーにも挑戦し、帰国後は4球団を渡り歩いて2013年に通算2000本安打を達成した。豪快なバッティングだけでなく、サードの守備も一級品だった。


 そして、外野は張本、福本、土井という往年のパ・リーグを支えた名選手たちに。

 張本は広島出身ながら、野球で身を立てるために松本商(現・瀬戸内高)から浪華商(現・大体大浪商高)へと転校。プロでは早くから主力となり、前人未到の3000本安打を達成した。通算安打数が注目されることが多いが、500本塁打・300盗塁も記録するなど、長打力とスピードも兼ね備えた希代の野手と言えるだろう。

 福本は高校3年時には甲子園に出場し、社会人でも都市対抗優勝を果たしていたものの、ドラフト7位という順位が示す通り、アマチュア時代は注目される選手ではなかった。ところが、プロ入り2年目にレギュラーをつかむと、そこから13年連続で盗塁王を獲得。通算1065盗塁・シーズン106盗塁はアンタッチャブルな記録の代表と言われている。

 土井は高校を2年で中退して近鉄に入団すると、1年目からいきなり4番を任されるなど長く中軸として活躍。トレードで移籍した太平洋クラブ(現・西武)でも1年目からホームラン王に輝き、通算465本塁打を記録した。また、引退後は長く西武のコーチを務め、多くの強打者を育てることにも貢献している。


 最後に、指名打者は5月19日に配信した「PLベストナイン」で選出した加藤も考えたが、現役選手から中村剛也を選んだ。

 レギュラーに定着するまでには時間がかかったものの、6度のホームラン王と4度の打点王を獲得しているように、すでに球史に残る長距離砲。特に統一球が導入された2011年は、多くの打者が苦しむ中でキャリアハイとなる48本塁打を放っており、ホームランを打つ技術の高さを改めて見せつけた。


 PL学園のベストナインだけでも錚々たる顔ぶれだったが、他の学校からも歴史に残る選手が輩出されているというところに、大阪の底知れない凄さを感じずにはいられない。

 ちなみに、NPBだけでの通算安打記録10傑のうち、実に4人(張本・福本・立浪・土井)が大阪の高校出身である。また、現役選手にも前田や森、中田に浅村、山田などに名球会入りの可能性があり、これからも大阪の高校出身者の活躍は続いていく可能性が高いだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所

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