コラム 2020.11.15. 07:09

石井一久「GM兼監督」はどうなる…?野村チルドレンの“監督1年目”を振り返る

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楽天の新監督に就任した石井一久GM

誰もが驚いた電撃人事


 11月12日、楽天は来季のコーチングスタッフを発表。今季一軍で指揮を執った三木肇監督を二軍監督に配置転換し、空いた一軍の監督には、現在はGMを務める石井一久氏がGMと兼任する形で就任することが明らかとなった。


 石井氏が楽天のGMに就任したのは、今から2年前のこと。

 2013年以来の優勝を目指し、FA戦線への積極的な参戦などで戦力強化に努めた一方、昨季は前年最下位のチームを率いて3位に入った平石洋介監督をわずか1年で解任。

 ほかにも、球団の功労者であった嶋基宏を昨オフで自由契約とするなど、その手腕がファンの間で物議を醸すことも少なくなかった。


 今季は鈴木大地やステフェン・ロメロといった補強が当たったものの、シーズン終盤の失速が響いて最終結果は4位。少なくとも“前年以上”が求められたなかでの厳しい結果に、首脳陣はどんな決断を下すのかに注目が集まっていた。

 そんな中で発表された、石井GMの監督就任。それもGM職を兼任しながら、グラウンド上で指揮を執るという驚きの人事とあって、大きな話題を呼んだ。


「野村チルドレン」の監督としての手腕は…?


 日米通算182勝という実績を誇る石井一久氏。プロ野球人生のスタートはヤクルトだった。

 当時のヤクルトと言えば、今年の2月に逝去した野村克也さんがチームを率い、“ID野球”で全盛を極めていた時期である。

 そんな名将の下で野球を学んだ「野村チルドレン」たちは、今では指導者として活躍する人材も多くなり、実際に今季は12球団のうち5球団で「野村チルドレン」がチームを指揮。“ノムさん”の功績がどれほど偉大だったのか、こういったところからも見て取れた。


 今回は、その「野村チルドレン」たちの“監督成績”に注目。まずは、“野村監督”時代に生え抜きとして入団した4人の監督成績を見てみよう。


▼ 古田敦也
【ヤクルト:2006年~2007年】

[初年度成績] 70勝73敗3分(3位)
[通算成績] 130勝157敗3分


▼ 真中 満
【ヤクルト:2015年~2017年】

[初年度成績] 76勝65敗2分(1位)
[通算成績] 185勝239敗5分 ☆リーグ優勝1回


▼ 高津臣吾
【ヤクルト:2020年~】

[初年度成績] 41勝69敗10分(6位)
[通算成績] 同上


▼ 三木 肇
【楽天:2020年】

[初年度成績] 55勝57敗8分(4位)
[通算成績] 同上


 今季から監督を務めた高津臣吾と三木肇はBクラスに終わったが、古田敦也と真中満は初年度からAクラス入りを果たした。

 どちらも就任前年よりも順位を上げており、真中に至っては、前年最下位だったチームをいきなり優勝させるという快挙を成し遂げている。


 ちなみに、この4人のなかで今回の石井と同様に「指導者経験がないまま監督に就任」したのは、プレイングマネージャーとして指揮を執った古田のみ。

 その古田も就任2年目こそ故障者続出で最下位に沈んだが、初年度はベテラン選手の奮闘で3位に食い込み、前年度の4位から順位を上げている。


栗山英樹は10年という長期政権へ


 続いては、自身のプロ入り後にノムさんと縁をもった選手たちの監督成績。これには在籍していたチームに“野村監督”がやってきたパターンと、“野村監督”が率いるチームに移籍したパターンが当てはまる。


▼ 渡辺久信(※1998年・ヤクルトに在籍)
【西武:2008年~2013年】

[初年度成績] 76勝64敗4分 ☆日本一
[通算成績] 438勝395敗31分 ☆日本一1回


▼ 栗山英樹(※1984年・ヤクルトに入団)
【日本ハム:2012年~】

[初年度成績] 74勝59敗11分(1位)
[通算成績] 629勝604敗34分 ☆日本一1回・リーグ優勝2回


▼ 辻 発彦(※1996年から4年間ヤクルトに在籍)
【西武:2017年~】

[初年度成績] 79勝61敗3分(2位)
[通算成績] 305勝234敗10分 ☆リーグ優勝2回


▼ 和田 豊(※1985年・阪神に入団)
【阪神:2012年~2015年】

[初年度成績] 55勝75敗14分(5位)
[通算成績] 273勝281敗21分


▼ 矢野燿大(※1998年・阪神に移籍)
【阪神:2019年~】

[初年度成績] 69勝68敗6分(3位)
[通算成績] 129勝121敗13分


 初年度から優勝した渡辺久信、栗山英樹をはじめ、先に紹介した4人と比べると好成績を残しているようだ。

 ちなみに、初年度から優勝した渡辺も栗山も、5年以上にわたり監督として指揮を執るなど長期政権となっていて、栗山に至っては来季で球団史上最長となる就任10年目を迎えることが濃厚だ。

 一方、初年度こそBクラスに終わった和田豊も、2年目にはチームを2位に押し上げ、就任3年目にはシーズン2位からクライマックスシリーズを勝ち上がり日本シリーズ進出を果たすなど、着実にチーム強化を果たした。


 いわば、今年の野球界における最大の人事となった、今回の石井一久の監督就任。楽天は来季、どんな成績を残すのだろうか…。


文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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