コラム 2021.04.26. 09:09

「サニブラウンに勝った男」ではなく「ファイターズの五十幡」へ…見る者を魅了する“豪脚”に刮目せよ

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目標は「盗塁王」、球界No.1の韋駄天になれる! (C) Kyodo News

「サニブラウンに勝った男」とは…?


 2013年に愛知県で開催された『全日本中学校陸上競技選手権大会』。


 そこで男子100mと200mの2種目制覇を果たした男は今、鎌ヶ谷を本拠に札幌の地を目指して戦っている。




 日本ハムの五十幡亮汰選手(22)。

 昨秋のドラフト会議で日本ハムから2位指名を受けた右投左打の外野手だが、少年時代は野球に主軸を置きながら、持ち前の俊足をいかして陸上競技でも大活躍。

 中学1年時にジュニア五輪の100mで2位に入ると、3年時の全中では100mと200mで二冠を達成。中学陸上界を席巻した。



 それでも、中学卒業後は佐野日大高に進んで野球に専念。プロ野球の世界を目指すと、中央大の4年間でドラフト戦線に名乗りをあげる。


 また、五十幡の知名度がより高まった背景には、中学時代に“負かした相手”の飛躍もあった。

 陸上男子100mの現日本記録保持者といえば、サニブラウン・アブデル・ハキーム。そのサニブラウンが、前述した2013年の全中に出場していたのだ。

 サニブラウンは100mが3位、200mは2位。中学時代においては、どちらの種目でも五十幡の後塵を拝す結果に終わっている。


 五十幡が高校~大学と着実に野球の実力を育んでいく中、サニブラウンも日本陸上界の新星としてメキメキと台頭。

 サニブラウンが全国的な知名度を得たことで、「サニブラウンに勝った男が野球界にいる!」という形で、五十幡がニュースに取り上げられる回数も増えていった。


春のキャンプでは足踏み


 しかし、それは当然、五十幡の望んだ形ではない。

 本人も大学在学中のインタビューで、「それは過去の話。野球ですごい選手になれるように頑張りたい」と語っていた。


 その意識はプレーにも現れ、ドラフトイヤーとなる大学4年時には打撃でも成長の跡を見せる。

 線は細めながら“走り打ち”をすることなく、外野の間を鋭く抜けていく打球も増加。ドラフトが近づくにつれて、スカウト陣からも“打撃”についてのコメントが増えていったのをよく覚えている。

 さらに足をいかした広大な守備範囲もさることながら、肩の強さも一級品。走攻守すべてでレベルアップが認められたからこそ、「ドラフト2位」という高い順位での指名につながったのだ。


 日本ハムの担当スカウト・坂本晃一さんは指名挨拶の会見にて、「あの選手のような…というより、プロ野球の中でも新たな存在、独特のオリジナリティある選手になってくれるのではないかと期待しています」と、五十幡が持つ唯一無二の魅力についてコメント。

 こうした大きな期待を背に、一軍メンバーとして迎えた1年目の春季キャンプ。初日からベースランニングの動画がYouTubeで話題になるなど、持ち味を存分に発揮してアピール。しかし、好事魔多しとはよく言ったもので…。

 キャンプの序盤、太ももの張りで別メニュー調整となると、そのまま二軍に合流。残りのキャンプ、そしてオープン戦でも一軍に戻って来ることは叶わなかった。


一軍昇格も遠くない…?


 プロ野球開幕から1カ月、五十幡亮汰の現在地はというと…?

 ファームではすでに公式戦に出場。4月26日現在で12試合に出場し、打率.242(33-8)で打点1。盗塁を2つ記録している。

 プロの投手を相手に、打率ではアピールできているとは言えないものの、実は12四死球を奪って出塁率は.444。自身の最大の武器である脚力を活かすべく、粘って粘って四球をもぎ取るというシーンも度々見られている。


 困った時に攻撃の突破口を開くことができるのが、“走力”の大きな魅力。

 近年で見ても、ここ一番で点を取りたい時の「代走の切り札」の需要は高まっており、その最たる例がソフトバンク・周東佑京の大ブレイク。ほかにも、ロッテの和田康士朗や巨人の増田大輝といったところが、チームに欠かせない存在となっている。

 特に日本ハムは、ここまでの総得点がリーグワーストの73と得点力不足に苦しんでいるだけに、起爆剤となり得る選手の台頭が待たれるところ。コンディションさえ不安がなければ、五十幡が“足のスペシャリスト”として一軍に呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。


 ひと目見れば速いと分かる、異次元のスピード。これを一軍の舞台で発揮し、継続していくことができれば、いつしか「サニブラウンに勝った男」という枕詞は忘れられ、「ファイターズの五十幡」の名が世間に轟くはずだ。

 キャリアの出だしこそつまずいたものの、長い野球人生で見ればまだまだ助走の段階。一軍に上がり、その豪脚が解き放たれた時、我々の想像を超えるスピードでスターダムを駆け上がっていくことだろう。


文=尾崎直也

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