コラム 2021.05.04. 10:33

チーム事情や首脳陣の思惑により千差万別 いま「2番打者」が面白い!

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阪神の糸原健斗 (C) Kyodo News

「バントしない2番打者」糸原が今季初の犠打


 セ・リーグ首位をひた走る阪神を、「不動の2番打者」として開幕から牽引し続けている糸原健斗が、今季はじめての犠打を決めた。5月2日の対広島戦、初回に先頭の近本光司が四球で出塁すると、一塁側へプッシュ気味にバント。広島守備陣の意表を突いて自身の出塁も狙ったのかもしれないが、結果としては犠打となった。

 糸原の犠打は現在「1」。もともと犠打が多いタイプではないが、ここまで犠打がなかったというのは、糸原の好調によるものだろう。打率ランキングでは菊池涼介(広島)に次ぐ堂々の2位。開幕から1番・近本の状態がなかなか上がってこないことも相まって、必然的に糸原が出塁を狙うケースが増える。あるいは、近本が出塁した場合にも、近本の足や糸原の好調ぶり、ミート力を考えれば、わざわざアウトを相手に献上する犠打を狙わずとも近本を進塁させられる可能性は高い。結果として、今季の糸原は「バントをしない2番打者」となっている。

 かつての典型的な2番打者といえば、それこそバントを含めて右打ちやエンドランといった小技に長けた選手が起用されていた。併殺を回避するための足も求められる要素のひとつだ。自らが犠牲になったとしてもチームプレーに徹して進塁打を狙わなければならないケースも多く、結果として本来の力より打率はそれほど上がりにくいということもいえるだろう。

 現在、その「典型的な2番打者像」に近いひとりが源田壮亮(西武)だ。打率ランキングでリーグ11位の打率.27350を誇る一方で、現在の7犠打はリーグトップ。もちろん、源田にはリーグ2位にランクインする足もある。


坂本、柳田、マーティン……2番の強打者たち


 一方で、2010年代以降にはメジャーのいわゆる「2番最強打者論」に基づき、強打者を2番に起用するケースも増えた。今季はそういうチームが目立っており、坂本勇人(巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)、マーティン(ロッテ)らがあてはまる。

 坂本や柳田は、いまさらいうまでもなく現在の球界を代表する強打者だ。今季の坂本はここまで打率.272と本来の力を思えばまだまだ本調子ではないものの、リーグ3位の20四球を選び、相手投手に与える威圧感やその選球眼はさすがというところ。柳田はリーグ2位タイの6本塁打、マーティンに至ってはリーグトップの10本塁打を誇り、そんな打者と初回から対戦する相手投手は立ち上がりから細心の注意を払わなければならないだろう。

 そして、坂本や柳田らとはまたちがったかたちで面白い2番打者がいる。ヤクルトの中村悠平だ。捕手が2番に起用されるケースはそうあるものではなく、もちろん中村も最初からそうだったわけではない。今季のヤクルトは、2番・青木宣親でスタートした。ところが、開幕早々に新型コロナウイルスの濃厚接触者扱いとなり青木が一時戦線離脱。いわば苦肉の策として中村が2番に起用されたわけだ。

 しかし、その中村が絶好調。現在の打率.2967はチームの主砲・村上宗隆の「.2970」に次ぐリーグ8位。昨季は本塁打ゼロに終わった男がすでに2本塁打を放ち、糸原や坂本をしのぐ12打点を挙げている。5月2日の対DeNA戦でも、2回に中前適時打、6回には一時同点とする犠飛を放ち、2打点を稼いだ。青木のバットが低調ということもあって、結果的に復帰後も2番として起用され続けている。

 1番打者や4番打者の場合、どのチームも基本的に同じようなタイプの打者が並ぶ。しかし、かつての典型的な2番打者像を経て、現在ではチーム事情や首脳陣の思惑によってさまざまなタイプが起用されるのが2番打者だ。そんな各球団の2番打者に注目してみるのも面白い。

※数字は5月2日終了時点


文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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