コラム 2021.11.03. 07:08

驚きの指名漏れも…今秋のドラフトで名前が呼ばれなかった選手たち【大学生編】

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青森大・長谷川稜佑 [写真提供=プロアマ野球研究所]

“今年じゃなかった”大学生の有望株


 今年は10月11日に開催されたプロ野球のドラフト会議。

 支配下77人・育成51人の選手たちが指名を受けたが、実力はありながらもめぐり合わせによって指名が見送られた選手や、事前に高い評価を受けながらもプロ志望届を提出しなかった選手というのも少なくない。




 プロアマ野球研究所では、来年のドラフト候補紹介と並行して、“今年は縁がなかった”有望選手たちもカテゴリー毎に紹介していく。第2回目となる今回は大学生編だ。

 まず志望届を提出した投手についてだが、指名がなかったことに最も驚かされたのが長谷川稜佑(青森大)だろう。特に昨年から今年にかけての成長が著しく、ストレートは最速155キロまでアップ。春のリーグ戦ではリーグ記録となる1試合19奪三振もマークしている。

 コントロールには少し不安が残るものの、ストレートの勢いに関しては上位指名された大学生投手と比べても上回っているように見えた。秋のリーグ戦の開幕が遅れず、予定通りにアピールすることができていれば、指名されていた可能性も高かったはずだ。社会人で1年目から結果を残し、2年後に再び上位指名候補となることを期待したい。



▼ 指名されなかった注目投手
・古田島成龍(中央学院大)
・山崎凪(中央学院大)
・森田晃介(慶応大)
・竹田祐(明治大)
・松本健吾(亜細亜大)
・権田琉成(明星大)
・飯田琉斗(横浜商科大)


 共通しているのは、全員が右投手という点。大学生の左投手が次々と上位で名前を呼ばれる一方、右投手は大きな特徴がないと高い順位で指名されるのは厳しいという印象だ。

 しかし、松本や権田などは4年生になってからかなりの成長を見せており、飯田もスケールの大きさに関してはかなりのものがある。社会人で実績を残せば、2年後に再びドラフト戦線に浮上してくる可能性は高いだろう。


志望届を提出しなかった注目投手


 つづいて、プロ志望届の提出を見送った投手にも、注目株は多くいる。

 そのなかでも、プロ志望を表明していれば指名の可能性が高かったと考えられるのが、川船龍星(拓殖大)だ。

 春は2勝2敗ながら、防御率はリーグ3位となる1.52をマーク。この秋も7試合に登板して4勝0敗、防御率1.88と安定した数字を残しており、レベルの高い東都二部でも圧巻の投球を見せている。

 少しステップの幅が狭いのは気になるものの、角度のあるストレートは度々150キロに迫り、フォークやチェンジアップのブレーキも申し分ない。緩急の使い方も上手く、長いイニングを投げ切るスタミナも十分だ。社会人ではいきなりエース格となっても全くおかしくない実力者である。


▼ プロ志望届を提出しなかった注目投手
・小向直樹(共栄大)
・加藤竜馬(亜細亜大)
・森圭名(青山学院大)
・高杉勝太郎(東海大)
・佐藤良明(愛知学院大)
・井奥勘太(天理大)


関西大の“打てる捕手”も…


 投手と比べて上位指名確実!という選手は少なかった大学生の野手だが、そのなかで指名がないことが意外だった選手と言うと、久保田拓真(関西大/捕手)の名前が挙がる。

 下級生の頃から関西の大学球界では評判の捕手で、この春は3本塁打を放つなど長打力も備えている“打てる捕手”候補。希少価値の魅力から高い順位での指名も期待されたが、若手捕手が不足している球団が少なかったことが指名漏れの原因と考えられそうだ。


▼ 指名されなかった注目野手
・岩本久重(早稲田大/捕手)
・山城響(富士大/二塁手)
・木村翔大(東洋大/遊撃手)
・井上絢登(福岡大/外野手)


志望届を提出しなかった注目野手


 最後に、志望届を提出しなかった有力野手から。

 なかでも春は不振に苦しんでいた泉口友汰(青山学院大・遊撃手)は、この秋2本塁打を放つなど見事に復調。かなり早い段階から社会人入りを決めていた可能性も高いが、遊撃守備は大学球界でもトップクラスの実力者である。


 大学から社会人に進むと2年間でドラフト指名解禁となるが、それを逃すと一気に指名される確率は低くなるため、1年目からが勝負となることは間違いない。

 焦りは禁物だが、ここで名前を挙げた選手たちが、1人でも多く2年後のドラフト会議で名前を呼ばれることを期待したい。


▼ プロ志望届を提出しなかった注目野手
・小玉佳吾(東海大/一塁手兼二塁手)
・中川拓紀(中央大/遊撃手)
・陶山勇軌(明治大/外野手)


☆記事提供:プロアマ野球研究所



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