大型契約に応える好成績
日本時間2日の未明、パドレスのダルビッシュ有が今季10度目の先発マウンドに上がる。
自身3度目となる開幕投手を務めた今季は、ここまで9試合の登板で4勝2敗、防御率3.76とまずまずの成績。9試合中7試合でクオリティースタート(6回以上投げて自責点3以下)を記録しているように、試合を作るという点では昨季以上に貢献していると言えるだろう。
それでも4勝に留まっているのは、打線の援護に恵まれていないということも大きい。
先発した9試合のうち、実に7試合で味方の援護が3点以下。打線が安定して1試合4点~5点を挙げてくれれば、勝ち星はもっと増えて良いはず。
そこでカギになってくるのが、主砲マニー・マチャドのバットである。
マチャドと言えば、2019年の2月にFA選手として史上最高となる10年332億円(当時)でパドレスと契約。それだけに批判の的になることも多いが、移籍4年目の今季は大型契約にふさわしい活躍を見せている。
日本時間1日現在、ナ・リーグ2位の打率.347に加え、8本塁打と28打点はともにチームトップ。さらに今季は盗塁を7つ決めるなど、走塁面においてもチームに大きく貢献している。
スランプのない三塁守備も変わらず安定。走攻守すべてにおいてトップレベルの力を発揮。その結果、チームへの貢献度を現すWAR(Wins Above Replacement)は「3.2」をマーク。これは両リーグ合わせても堂々のトップという好成績だ。
“嫌われ度”もトップ?
文字通りメジャーNo.1の貢献度を誇るマチャドだが、一方でダルビッシュの登板時だけはバットが湿りがち。
エース登板の9試合は打率.167(30-5)で本塁打0・打点2という「9番・投手」のような数字が並び、長打は1本も出ていない。それ以外の38試合では打率.384(146-56)、8本塁打で26打点と、その違いは一目瞭然である。
9試合のうち、マチャドが安打を放った3試合はすべてダルビッシュが勝利投手になっている。マチャドが打てばダルビッシュに白星が付くということはすでに証明済みということだ。
先月、米国の某スポーツベッティング会社が実施した調査の結果が発表され、「Twitter上で最もネガティブなコメントがあったメジャーリーガー」に選ばれたことでも話題になったマチャド。チームへの貢献度だけでなく、ファンからの“嫌われ度”でもランキング1位となった。
今後はダルビッシュに“嫌われない”ような打棒に期待したいところだが、果たして……?
文=八木遊(やぎ・ゆう)