コラム 2016.01.28. 11:00

ドラフトでは6球団競合も…後がない西武・大石

 2010年、早稲田大学の3人のピッチャーが世間の注目を集めていた。その3人の名は斎藤佑樹、大石達也、福井優也。名門・早稲田大で1年生から登板し、3人ともドラフト1位クラスの実力を誇る。斎藤、福井が先発、抑えに大石を配した早稲田大はこの年、東京六大学秋季リーグで優勝。続く明治神宮大会も制し有終の美で大学生活を終えた。

 「人気では斎藤、実力では大石」の声が多かった。大石のピッチングはプロのスカウト陣から高い評価を受けた。185センチの長身からMAX155キロのストレートを投げ込み、「将来性なら3人の中で一番」という声も上がった。ドラフト会議では6球団が競合する中、西武の渡辺久信監督(当時)が当たりクジを引き当て西武への入団が決まった。 斎藤は4球団の競合で日本ハムに、福井は大石を外した広島が外れ1位で指名されドラフト会議史上初となる同一大学から3投手の1位指名となった。

 プロ野球選手としてスタートを切った大石だったが、1年目からいきなり躓く。開幕一軍を果たすも右肩痛のため登板機会なしのまま登録抹消。 斎藤が6勝、福井が8勝と1年目から結果を残す中、大石は一軍未登板と悔しい結果に終わる。それでも2年目の12年にプロ初登板を果たすとリリーフ中心に登板機会を増やす。7月8日の楽天戦ではプロ初勝利を挙げた。

 翌13年には開幕から抑え投手に抜擢され、4月は4セーブとまずまずの数字を残す。しかし、5月9日のロッテ戦ではサヨナラ暴投で救援失敗するなど不安定さが表れ、中継ぎ降格を余儀なくされる。前年の24試合を上回る37試合に登板するが、0勝5敗8セーブと結果を残すことができなかった。さらに悪循環は続く。14年には再び右肩を痛め一軍未登板。昨年は2年ぶりに一軍のマウンドに上がるもわずか3試合と大学時代の輝きが徐々に失っている。果たして大石はこのまま終わってしまうのだろうか…。

 大石がプロで生き残る一案として考えられるものに「野手転向」がある。大学時代は登板しない時にショートを守った経験もあり、野手として非凡なセンスを持っている。14年オフの契約更改では、球団から野手転向を打診されたこともあった。くしくも西武には投手として入団した後、途中で野手に転向した木村文紀の例もある。プロ6年目となった大石。彼は野球人生の岐路に立たされている。
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