ニュース 2019.11.15. 11:00

「自分の力不足」好スタートも悔しいシーズンとなったロッテ・加藤翔平

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ロッテ・加藤翔平【撮影日=2019年2月9日】

OP戦、開幕直後は好調も


 「振り返るほど何もしていないかなと思います」。ロッテの加藤翔平は、今季を厳しい表情でこのように振り返った。

 昨季までは鈴木大地、柿沼友哉らと合同自主トレを行なっていた加藤だが、自分でやることが明確にあったため、オフはロッテ浦和球場やZOZOマリンスタジアムを中心に一人で課題に向き合った。

 1月のロッテ浦和球場での自主トレでは、早朝7時から短距離走、体幹トレーニングで汗を流した。体幹トレーニングでは、1年間結果を残すうえで、体幹が弱ってくると打撃フォームから全て崩れることから例年以上に体幹トレーニングに取り組んだ。

 打撃面でも自分で意識、感覚を身につけ、1年間結果を残せるようにするため、色んな引き出しを集める作業に着手した。

 春季キャンプ初日に行われた紅白戦でチーム唯一のマルチ安打を放つと、オープン戦でも打率.406(32-13)と好調を維持。開幕前には「シーズンで打ってこそ本当の自信になると思うので、そこはまだまだだと思うんですけど、去年よりもいいイメージを持って打席に立てている。そこは去年よりも自信に繋がっていると思います」と手応えをつかんでいた。

 3月29日の楽天との開幕戦では『2番・右翼』で先発出場し、「昨年9月に二軍落ちしてから約半年長かったなという思いと、半年間待った一軍の舞台だった。1打席目で結果を残せたのはよかった」と今季初打席でライトスタンドへ飛び込む第1号ソロを放った。

 4月6日のソフトバンク戦では1試合2本塁打、同日のソフトバンク戦から3試合連続マルチ安打を放つなど、3月31日の楽天戦から4月11日のオリックス戦にかけて9試合連続安打。4月11日が終了時点で、打率. 打率.356(45-16)、4本塁打、5打点と今季こそレギュラーを定着すると思われた。

 「早めに仕上げたというのもありますし、自主トレを1人でやったことは間違いではなかったと思います」。

 「開幕直後に打てていたというのも、たまたまであのバッティングはできないと思います。ただそこを自分のなかで継続できなかった。もちろんいろんな怪我をした部分もありますし、みんな怪我を抱えているので、言い訳にはできない」。

 「そういうところで崩れていったのを早く戻せずに、状態が悪いと試合に出られないと思うので、出られないなかで試合勘を保つために、いろんな工夫をしていければ(活躍が)できたと思いますね」。

4月12日以降の打率は.094


 夏場二軍で再調整しているときには、山本由伸が先発した4月11日のオリックス戦で2安打しながらも、「ちょっと崩されたなというのがあった。その試合のあとからちょっとずつ、自分の感覚がズレてしまった」と話していた。4月12日以降の打撃成績を見ても、打率.094(64-6)と大きく成績を落とす形となった。

 そこも立て直せなかった原因のひとつかとシーズン終了後に改めて質問すると「自分のなかで体を振りはじめたなというのがあった。もちろんそこが“おかしいな”と思いはじめた試合ですけど、そこだけが原因ではないと思うので、いろんな体の状況とか、自分の精神面の状況とかが重なってなかなかできなかったと思う。そこはなんですかね。結局は自分の責任。活躍するしないのも、全部自分の責任。そこは自分の力不足だと思います」と悔しがった。

今オフも1人で自主トレ予定


 プロ8年目を迎える来季に向けて、シーズンオフは「人とやることは違うと思いますし、人と一緒のことをやっていても、一人一人課題は違うと思う。人にあわせて練習してもしょうがないかなと思うので、自分でやります」と1人で自主トレを行っていく予定だ。

 「継続していく部分もありますし、もっとバッティングで変えなきゃいけない部分もある。キャンプ、オープン戦、開幕直後は良かった。そこに関しての持っていき方は間違っていなかったと思うので、大きく変える必要はないですけど、意識の問題を含めて変えなきゃいけない部分は変えなきゃいけないかなと思います」。

 今季は好スタートを切りながらも、悔しい結果に終わった。「来季は終わったときに1年間、いろんなことをやり通して良かったなと思えるようなシーズンにできればいいと思います。チームは優勝を目指していますし僕自身、野球選手である以上、試合に出続けたいという思いはあるので、そこはひとつの目標というか、課題としてやっていきたいと思います」。

 今季に懸ける思いは強く、自主トレではシーズンに向けて何をやらなければいけないか考えトレーニングを積み、開幕してからも結果を残した。持っている能力が高いのは、誰もが知っている。あとは結果を残し続けるだけ。来季こそ安定した成績を残し、シーズン通してオフに取り組んできたことが間違いではなかったということを、証明するシーズンにして欲しいところだ。

取材・文=岩下雄太

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