打撃で好感触
「結果を求めながらやっていた。正直日本の一軍レベルの投手に比べると下がりましたけど、その中で1球で仕留められる。長打という部分も残せたので、自信になりました」。
ロッテの2年目・松田進は、『2019アジア・ウインターリーグ・ベースボール(AWB)』で確かな手応えを掴んだ。
昨年11月の秋季キャンプで井口資仁監督、河野亮打撃コーチの指導のもと打撃フォームを変更したが、キャンプ序盤で急性腰痛により離脱。その後、ロッテ浦和球場でリハビリを行い、ほぼぶっつけ本番という状態でAWBを迎えた。
「(井口監督、河野コーチに)つきっきりで特打もやらせてもらっていたのに、短い期間でしか一緒にできなかったので不安な部分もありました」。
「(状態を)探りながらも、(AWBの)打撃練習では村田さんと新井さんがいらっしゃったので、話を聞きながらという形で、結果も残せたのでよかったです」。
松田が所属したNPB WHITEでコーチを担当した村田修一コーチ(巨人)、新井良太コーチ(阪神)のアドバイスをもらいながら、不安をかき消すようにAWBで打ちまくった。
特にAWBでは右方向への強い打球も多かった。「かなりいい感触といいますか、手応えといいますか…」と話し、「しっかり自分のスイングができれば右方向に去年もホームランを打ったりしていた。数字も現れたのでよかったかなと思います」と15試合に出場して、打率.340、2本塁打、10打点の成績を残した。
「(打球の質も)変わったと思います。本当にバッティングのイメージが変わりました。今はパチンと打つイメージ。今宮さんとか、宮崎さんとかが打っているような感じですかね。すごくいい打球が飛ぶようになったのかなという感じがします」。
昨シーズン中から課題に挙げていたハットが外回りしてしまう癖も、「脇が開くと外回りだったり、強い打球がいかないということで、(秋季キャンプ中に体にひもを)しばりながらやっていた成果もありますし、そこの感覚の違いというのを認識しながら、自分の形を見つけられたかなと思います」とのことだ。
ファーストにも挑戦
守備面でいえば、「ウインターリーグは二遊間に若い選手が多くて、その前にもファーストもあるよと言われていた。ショートで勝負したいですけど、内野全ポジションを守れて不利なことはない」と、AWBでは昨季一、二軍の公式戦で1試合も守らなかった一塁の守備に挑戦。
AWBの後半は二遊間を中心に出場していく予定だったが、故障者が出たため、後半も一塁を守った。「サード、ショート、セカンドはずっとやっていた。ファーストを経験させてもらったのでよかったです」。
本職のショートに加え、セカンド、サード、ファーストを守れれば、プレーの幅が広がる。そこに打撃でしっかりアピールできれば、一気に一軍の競争に入ってくる可能性も十分に考えられる。
「河野さんと監督に教えてもらったヒッチがいい感じではまった。この自主トレ期間中にフォームを固められるようにして、2月1日ヨーイドンで結果を求めながらやれたらいいかなと思いますね」。万全の状態でキャンプインを迎えるため、黙々とバットを振っていく。
取材・文=岩下雄太