楽天モンキーズ戦で大活躍も
「打って打って打ちまくるしかない」。
ロッテの香月一也は、武器である打撃でアピールすることを改めて誓った。
4年目の18年はファームでチームトップタイの12本塁打を放つも、一軍出場なしと悔しい結果に終わったが、昨季は2年ぶりに一軍で出場しプロ初本塁打を放った。
シーズンオフは、大阪桐蔭高の先輩で、西武でプレーする森友哉と自主トレを行い打席の中での考え方、準備の仕方などを教わり、新シーズンに向けて準備した。
春季キャンプは二軍スタートだったが、左足の張りを訴えた中村奨吾に代わって2月3日の練習から一軍に合流。今季対外試合初戦となった2月8日に行われた楽天モンキーズとの国際交流試合で、1本塁打を含む4安打4打点の大暴れ。好スタートを切ったかのように見えたが、その後の練習試合では安打を放つことができず。今季初となるZOZOマリンスタジアムでのオープン戦の試合前練習には、香月の姿はなかった。
楽天モンキーズ戦の後、香月に何が起こっていたのかーー。「強く振ろうとしすぎて、体が開いていましたし、力んでいた」と話し、今季は打率にこだわること、初球からしっかり捉えることを意識していくということを挙げていたが、そこに関しても「変わらずにやっていたが、力が入っちゃったので、体の開きが早いかなという感じです」と自己分析した。
少ない打席で結果を残す難しさ
楽天モンキーズとの国際交流試合以降、香月は10試合に一軍の練習試合に出場したが、全て途中出場だった。少ない打席でインパクトのある結果が求められる。「難しさはめちゃくちゃある。それでも打てないとチャンスがもらえない。結果を出すしかない」と、限られた機会のなかで結果を残す難しさ、そのなかで結果を出し続けなければいけないことを本人が一番わかっている。
ファームに戻ってきた3月3日のDeNA(春季教育リーグ)との試合前の打撃練習を見ると、「逆方向に打つイメージは変わらずやっていますよ」と話していたが、何か感触を確かめて打っているように見えた。「あんまり状態がよくないので、確認しながらやっているという感じです」。昨年までは打撃練習の最初は逆方向から打つことが多かったが、この日はライト方向から打ち始め、打撃練習の最後の方に反対方向に打っていた。
左の長距離砲として期待
マリーンズの長距離砲はレアード、井上晴哉といるが、いずれも右打者。左で長打の打てる香月は、同じく開幕一軍を狙う3年目の安田尚憲とともに魅力的な存在だ。
「チャンスがもらえるように頑張るしかない」。
香月が一軍でプレーするためには、守備力の向上も必須だが、楽天モンキーズとの国際交流試合で見せたインパクトのある打撃、“結果”を首脳陣にアピールしていく必要がある。ファームで実戦経験は、かなり積んできた。あとは一軍で結果を残すだけ。一軍の本拠地であるZOZOマリンスタジアムでプレーするために、バットを振っていく。
取材・文=岩下雄太