強く振る!
フルスイングが魅力のロッテの香月一也。
18年には故障で出遅れながらもファームでチームトップタイの12本塁打、昨季は「ホームランを打つというのが、ひとつの目標だったので打てた事は嬉しい」とプロ初本塁打を放った。
昨季は一軍で様々な投手と対戦し経験を積んだが、「プロに入ってきてから自分の意識のなかであったので、強く振るということを変える気はないですし、ずっと伸ばしていきたいところですね」と打撃スタイルを変えずに勝負していく。今季に関してはフルスイングをしながら、率にこだわっていくという。
結果を残したい
安田尚憲、山口航輝らとともに香月も近い将来、その長打力を発揮して欲しいところだが、年齢でいえば安田や山口よりも少し上になる。今年でプロ6年目と、そろそろ目に見える“結果”、一軍に定着していきたいところだ。
香月が本職の三塁や、ファームで出場することの多い二塁や一塁は、三塁にレアード、二塁に中村奨吾、一塁に井上晴哉とガッチリと埋まっている。
一軍定着するにあたって守備力も必要になってくるが、香月の売りである打撃でアピールしていきたい。昨年、一軍での起用法を見ても“代打”の1打席で結果を残して、チャンスを掴んでいくというのが現実だ。
「ファームだったらずっとスタメンで使ってもらえましたが、少ない打席の中でモノにしていかないといけない。ファームの1打席目とかは、代打のイメージでやっていました」(2019年6月2日取材)
「初球からしっかり捉えられるイメージというか、意識ではやっていた。あとは試合で結果が出せるかですかね」(2020年2月8日取材)
ここ数年、香月は一軍に定着するため、ファームでも一軍を想定して代打の気持ちで打席に入ったり、初球でしっかりと仕留める打撃を意識するなど、一軍で結果を残すための準備をしてきた。
その一方で、「打席が少ないので、それで打てないとチャンスがもらえない。結果出すしかない」と、限られた機会のなかで結果を残す難しさ、そのなかで結果を出し続けなければいけない難しさを痛感した。
2月8日に行われた楽天モンキーズとの国際交流試合で、1本塁打を含む4安打4打点の大暴れ。好スタートを切ったかのように見えたが、「強く振ろうとしすぎて、体が開き力んでいた」と、その後の練習試合では安打を放つことができなかった。
「結果を残すだけしかない。結果にこだわるというか、全力でやるしかない。頑張ります」。2月の春季キャンプ中にこう意気込んでいた香月。気がつけばプロ6年目を迎えた。その間に大阪桐蔭高校の後輩が18年のドラフトで藤原恭大、19年のドラフトで福田光輝が入ってきた。
福田に関して言えば高校の後輩にあたるが、本職の遊撃だけではなく、三塁や二塁でも出場し、同じ右投げ左打ちと、一軍の枠を争うライバルになる。
香月は、プロ1年目からファームで実戦経験を積み、しっかりと成績を出してきた。あとは一軍で結果を残していくだけ。少ない打席で結果を残し、今季こそ武器であるバッティングで一軍定着を図りたい。
文=岩下雄太