荻野と福田秀平が実戦復帰
リーグ突ッパ!に向けて、頼もしい男たちがもうすぐ帰ってくきそうだ。
不動のトップバッター・荻野貴司とFAでソフトバンクから加入した福田秀平が18日、関西独立リーグ選抜との二軍練習試合(ロッテ浦和)で実戦復帰を果たした。
『3番・指名打者』で出場した荻野は、レフトへ2ランを放ち、3打数1安打1本塁打2打点。「足の状態はよくなっています。まずはDHからとなりましたが早く守備についてフル出場できるようにしていきたいです。そして1日でも早く一軍に上がれるように頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。
『2番・センター』で出場した福田は、2打数2安打1打点1四球と全打席出塁。「思ったよりも時間がかかってしまいましたが、これからしっかりと二軍でアピールをして一軍に呼んでもらえるように頑張りたいです」と誓った。
存在感を示した選手たち
荻野、福田が二軍戦に復帰したということは、一軍に戻ってくる日は近い。ただ荻野、福田が不在の間に、その穴を埋めるように若手、中堅の外野陣が躍動したのも事実。
ファームで打率.346のアベレージを残し8月29日に今季初昇格を果たした加藤翔平は、初出場となった同日のオリックス戦から打席に立った試合は15試合連続出塁中。昨季は60試合・120打席立って選んだ四球は7個だったが、今季は16試合・61打席で6四球と、昨季の半分の打席数で昨季と同じくらいの四球を選ぶ。
走っても、4日から6日まで行われたソフトバンクとの“首位攻防3連戦”では1本の安打で一塁から三塁へ進塁。13日のオリックス戦ではマーティンが放ったレフトへのあたりを、後方に守っていた吉田が前進してスライディングキャッチを試みるも打球を弾き、その間に一塁走者の加藤も悠々ホームインする好走塁もあった。加藤は、次の塁を狙う姿勢を常に見せている。
荻野、福田の離脱の間に存在感を高めたのが、3年目の菅野剛士。昨季は交流戦で1試合2本塁打を放ったが、一軍定着することができず28試合の出場で、打率.197に終わった。春季キャンプ中、今季に向けて「本当にライバルが多いので、僕も毎日アピールしないと出られない。毎試合チャンスをもらったら結果を残すために、そこで結果を出すだけにと考えながらやっています」と危機感を持っていた菅野はも7月7日に今季初昇格を果たすと、一度も降格することなく、コンスタントに結果を残す。すでにシーズン自己最多の56試合、30四球、40安打を放つ。外野だけでなく、ここ最近は一塁でスタメン出場するなど、出場機会の幅を広げている。
荻野、福田の不在の穴を様々な選手たちが埋める中で、マーティンは開幕から全78試合に出場する。打率こそ.251だが、チームトップの22本塁打、57打点を挙げる。勝負強く、8月20日のソフトバンク戦では、2-4の延長10回二死一塁から値千金の同点2ランを放った。現在マーティンが本塁打を放った試合は、8月2日の楽天戦から12連勝中。チームが好調なのもマーティンの活躍が大きい。
その他にも実績のあるベテランの角中勝也、清田育宏をはじめ、試合終盤の代走の切り札として18盗塁を決める和田康士朗、代走、守備固め、ときにはスタメン出場することのある岡大海と、チームに欠かせない存在の選手ばかりだ。
荻野、福田秀が離脱中に、加藤、菅野、和田らがスタメンで結果を残し、チームのピンチをチャンスに変えた。12球団を見渡しても、最も層の厚い外野陣といえるのではないだろうかーー。
▼ ロッテ外野陣の打撃成績
マーティン 78試 率.251 本22 点57 盗6 出塁率.386
角中勝也 60試 率.261 本2 点10 盗2 出塁率.351
菅野剛士 56試 率.256 本2 点16 盗0 出塁率.383
岡 大海 50試 率.154 本0 点2 盗7 出塁率.254
和田康士朗 47試 率.213 本0 点0 盗18 出塁率.315
清田育宏 46試 率.270 本3 点15 盗0 出塁率.349
荻野貴司 28試 率.333 本0 点5 盗12 出塁率.415
福田秀平 28試 率.218 本3 点7 盗0 出塁率.313
加藤翔平 16試 率.291 本0 点1 盗3 出塁率.361
文=岩下雄太