嬉しいプロ初安打!
9日の昼間に9月度のイースタン・リーグ「スカパー!ファーム月間MVP」に輝いたロッテの髙部瑛斗は、その夜に行われたソフトバンク戦で嬉しいプロ初安打を記録した。
9月の二軍戦では17試合に出場してリーグトップの打率.431、28安打を放つ大暴れ。9試合連続ヒットを含むマルチ安打を11度もマークする活躍に、球団を通じて「状態が良かったというよりは一日一日、絞り出したという感じです。毎日、全力で出来ることをしっかりとやった結果だと思っています。一軍でもこのチャンスを生かせるように結果を出したいです」と語っていた。
「一軍でもこのチャンスを生かせるように結果を出したい」。この言葉の通り、さっそくその日のナイターで“結果”を残した。
ベンチスタートだった髙部は3-1の8回一死一塁、西巻賢二の代打として登場。1ボール1ストライクからソフトバンク・高橋礼が投じた131キロのストレートをレフト前に弾き返し、プロ5打席目で嬉しい初安打を放った。
代替指名選手でプロ初昇格
髙部は春季キャンプ中、「いろんな人から吸収して自分がどういうことができて、どういうことが得意でどういうところが弱いのか、この1年過ごしていきたいと思います」と決意を述べていた。
ファームでは公式戦初安打までに12打席かかり、6月は無安打だったが、7月が月間打率.364、8月が.308、そして9月は.431と7月以降は安打を積み重ねた。9月25日のソフトバンク戦の試合前練習に参加し、井口監督は「彼の動きを見たかった。好調をキープしていますので、いつ呼ばれてもいいように準備して欲しいと伝えました」と期待を寄せていた。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う「特例2020」で一軍登録抹消された選手たちの“代替指名選手”としての昇格ではあるが、一軍でプレーするチャンスが巡ってきた。
プロ初出場となった6日のオリックス戦は、球界を代表する山本由伸の前に2三振を喫するなど、4打数3三振だったが、プロ2試合目の出場となった9日のソフトバンク戦は、ファームで1度しか経験していない代打できっちりと“1本”結果を残した。
また、髙部といえば、バットだけでなく、50メートル「5秒8」を記録する俊足も持ち味。ファームでは9月リーグ2位の5盗塁をマークするなど、ここまでリーグ4位タイの13個の盗塁を記録する。イースタン・リーグ3位となる14盗塁の藤原が、プロ初盗塁を決めた。同じく足を武器にする髙部の盗塁にも期待したいところだ。
リーグ優勝を目指し負けられない戦いの中、フレッシュな若手が躍動することで、チームの勢いはさらに加速するはずだ。チームのピンチをチャンスに変え、必死にアピールし、存在感を高めていきたい。
文=岩下雄太