ベイファンから選手へ
DeNAは4日、ドラフト3位で指名した横浜高校の松本隆之介投手の下を訪れて指名挨拶を行った。
DeNAの吉田顧問兼代表補佐、進藤編成部長、河原スカウティングディレクター、稲嶺スカウトから指名の挨拶を受けた松本は「実感が沸いてきました。憧れていた球団で嬉しい」と声を弾ませた。
「真っ直ぐで押していって、相手を圧倒するピッチングが持ち味。10年でも20年でも長くローテーションに入って、日本を代表するような投手に」と未来を見据えた左腕は、「1年目は身体作りをして、2、3年目には一軍で活躍したい」と冷静なプランニングも口にした。
松本はドラフト指名の際もベイスターズが意中の球団だったと公言。2017年の横浜スタジアムで行われた日本シリーズ第4戦を「今永投手のユニフォーム」を着て観戦し、ハマスタには「暇さえあれば行っていた」という。今年も「梶谷選手が高梨投手から満塁ホームランを打った試合」を観戦するなど、筋金入りのベイスターズファンであることを改めて明かした。
また、憧れの投手に今永昇太を挙げ、「一つひとつの球種の質が高く、自分のピッチングを冷静に判断して投げている姿に憧れる。気持ちの保ち方や感覚の話、真っ直ぐのキレが凄いのでコツだったり練習方法など聞きたい」と、早速の弟子入り志願。投げる哲学者の異名を持つ左腕エースから、たくさんの事を吸収したいと目を輝かせた。
吉田孝司顧問兼球団代表補佐は、「9年間ずっと頭にあった地元の選手を取れて良かった。ポテンシャルがありフォームが素晴らしい。肩肘の故障もないし、2~3年で一軍のマウンドに立ってくれれば」とエールを送り、「井川慶のようなスケールの大きいピッチャーに」と期待を寄せた。
地元の名門・横浜高校からダイレクトでベイスターズに指名されたのは、意外にも2011年の乙坂智以来で、投手に絞ると1996年の横山道哉まで遡る。横浜・戸塚シニア出身の生粋のハマっ子は、188センチの恵まれた体躯とリアル「I☆YOKOHAMA」を引っ提げ、憧れのチームへ。あとはその左腕で、「あの舞台で投げてみたかった」と語るハマスタのマウンドに立つ権利を勝ちとるだけだ。
取材・文 ・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)