長打力が魅力
「毎日基礎からやらせてもらっていて、すごい濃い練習ができていると思います」。
ロッテの育成ドラフト3位・山本大斗(開星高)は、充実した春季キャンプを送っている。
「バッティングが売りで、プロ野球の世界に入らせてもらった。しっかりキャンプで磨いてアピールしていきたいと思います」。
そのなかでも“長打力”を武器にしている。プロの世界に飛び込んできて自身の現状の打撃に、「自分より全然上の選手がいるので、その選手を見習ってこれからの練習に取り組んでいきたいと思っています」とプロのレベルの高さを実感した。
今回ファームのキャンプには主力選手が多く、その中には、18年から2年連続で24本塁打を放った井上晴哉もいる。山本は同じ長打力が魅力の井上の打撃練習を見て「インパクトの強さが全然違います」と感じたようだ。山本自身、井上をはじめ先輩たちの打撃を見て「先輩方はスイングが強いですし、それを見て1球1球大切にしていきたいと思います。また、ティー打撃からしっかりとインパクトを強く、強いスイングができるようにやっていきたいです」と語った。
武器である打力でアピールするためには、木製バットへの対応もひとつカギとなってくる。「グリップは細い方が好き」と、バットは85センチ、890グラムのものを使う。木製バットには「だんだん慣れてきました」と話す。高校時代は右方向への長打力を魅力にしていたが、木製バットでも「そこは変わらず、右にも強い打球を打てるように意識しています」とのことだ。
チームは慢性的な長打力不足に喘ぎ、左打者に比べて期待の右の大砲が少ないのが現状。打てばチャンスはある。本人も「自分的にもチャンスですし、そこにしっかり入り込んでいきたい。しっかり打撃を磨いて、(将来は)4番になれるように頑張っていきたい」と意気込む。
走塁、守備でもレベルアップを
支配下選手になるためには、「バッティングを磨くのももちろんですけど、守備も走塁も全部レベルアップしていかないといけないなと思っています」と自覚するように、走塁、守備面の技術向上は必須だ。
「走攻守すべてにレベルアップできるように、今は基本から学ばせてもらっています」と、基礎技術を磨いている。
また、練習が終わり宿舎に戻ってからも、お風呂上がりのストレッチは毎日欠かさず行い、「高校のときもやっていたので、プロに入ってからも継続していこうと思いました」と、日誌を毎日書くようにしている。
日誌には「練習で勉強したことや1日の振り返りを書いています。昨日だったら、守備でも捕り方だったり、走塁でもステップの仕方、ストレッチの仕方などを書きました」とのことだ。
「1日中野球のことを考えて、毎日野球に没頭できるのが幸せに感じています」。自身のセールスポイントである打撃を磨くのはもちろん、守備、走塁もレベルアップし、支配下選手登録を掴み取ってみせる。
取材・文=岩下雄太