ニュース 2021.03.01. 21:50

松井秀喜 NY開幕戦満塁弾のあと、実況アナにかけた言葉

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ショウアップナイター エピソード55
<エピソード2~試合後に松井からかけられた言葉は~>


~今年2021年、放送開始から「55周年」のシーズンを迎えたニッポン放送「ショウアップナイター」。これを記念し、中継だけでは届けきれない取材情報や解説陣の“ここだけの話”など、「55」のエピソードを紹介していく連載企画~

ヤンキースに移籍した松井秀喜の、本拠地ニューヨーク開幕戦での“鮮烈デビュー”の裏側を、実況を担当したニッポン放送・師岡正雄アナウンサーが語った。


米大リーグ ヤンキースーツインズ 5回裏1死満塁。満塁ホームランを放ち、鮮烈のニューヨークデビューを飾ったヤンキースの松井秀喜 =ヤンキースタジアム  撮影日:2003年04月08日 写真提供:産経新聞社




師岡アナは、松井秀喜がニューヨーク・ヤンキースに移籍した当時、メジャーリーグの取材や実況で何度となくアメリカへ飛んだ。そんな師岡アナが、今でも鮮明に覚えているという入団記者会見、そして2003年本拠地ニューヨークでの開幕戦実況の裏側を明かした。

「『ニューヨーク・ヤンキース』の松井秀喜が誕生した2003年1月14日、ニューヨーク・マンハッタンで行われた入団会見を僕が担当しました。アメリカでも知られている「巨人」の4番が来るという期待感から記者会見場には信じられないくらいのアメリカの報道陣と日本の報道陣が殺到。その場の一角に設けられていたニッポン放送エリアからニューヨーク・ヤンキースの55番のユニフォームを着る松井に単独インタビューしましたが、その時の松井の第一声が『どお? 似合ってる?』。そのお茶目なやりとりがすごく印象に残っていますね」


ニッポン放送・師岡正雄アナウンサー




この年は3月31日にトロントでシーズンの開幕を迎えたヤンキース。その開幕戦に「5番・レフト」で先発した松井は、メジャー初打席に先発のロイ・ハラデイからいきなりタイムリーヒットを放ち、初安打、初打点。トロント、そして暖かいフロリダのタンパでデビルレイズとの3試合を終え、迎えた本拠地ニューヨークでの開幕戦。しかし寒波に襲われたニューヨークは大雪に見舞われ試合は翌日に順延。

「4月8日の開幕戦当日、ヤンキースタジアム周辺はお祭り騒ぎ! 日本からもたくさん応援に駆け付けているのはもちろん現地のヤンキースファンが日本人の僕を見ると『ゴジラ!』『松井!』と喋りかけられたよ」

そしてすでに熱気につつまれたスタジアムがなお一層盛り上がったのが5回のヤンキースの攻撃。4番のバーニー・ウイリアムスが敬遠で1死満塁の場面。スタンディングオベーションで迎えられる松井。そしてフルカウントで迎えた6球目、甘く入ったチェンジアップをライトスタンドにたたき込んだ。

「タイムリーヒットでも打ったら『ゴジラニューヨーク上陸!』という言葉は言おうと思って頭に入れてましたよ。ただ、まさか満塁ホームランを打つなんて予想だにしていないよね。『ゴジラニューヨーク上陸!』に続いて言った『ゴジラがニューヨークで産声をあげました!』は感情が高ぶって自然に出てきたね(笑)。

試合後、松井からの『ちゃんと喋れた?』という問いかけに対し『ちゃんと喋ったよ。“ゴジラ、ニューヨーク上陸”ってね』と言ったら『ありがとう』って笑っていました。日本でも感動的なホームランはあったけど、一番感動的だったね」


米大リーグ ヤンキースーツインズ 5回裏1死満塁。満塁ホームランを放ち、鮮烈のニューヨークデビューを飾ったヤンキースの松井秀喜 =ヤンキースタジアム  撮影日:2003年04月08日 写真提供:産経新聞社



ファンの期待に見事に応えた松井を見た師岡アナは「大活躍するな!」という予感がしたそう。と同時に、「俺の仕事は忙しくなりそうだな(笑)」という予感もしたという。

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