2021.04.30 18:00 | ||||
オリックス・バファローズ | 5 | 終了 | 4 | 福岡ソフトバンクホークス |
京セラD大阪 |
仲間のミスをカバーするサヨナラ二塁打
オリックスが30日、京セラドーム大阪で行われたソフトバンク戦で劇的なサヨナラ勝ちを収めた。オリックスのサヨナラは、今月22日の西武戦以来、今季2度目となる。
オリックスは2−4と2点ビハインドで迎えた8回、この日まで今季無失点だったソフトバンクのセットアッパー、モイネロから吉田正尚が「浮いてきたボールをしっかりと仕留めることができた」と、ライトスタンドへ6号ソロを放ち1点差に。その後、9回表のマウンドを漆原大晟が三者凡退で終えると、ソフトバンクは、この日登録抹消となった森唯斗の役目を担った岩嵜翔をマウンドへ。
その岩嵜に対して、オリックスは先頭の頓宮裕真、続く紅林弘太郎が連打で無死一、二塁と粘りを見せる。ここで中嶋監督はピンチバンターとして山足達也を起用するが、その山足が3バント失敗し。不穏な空気が流れたが、一死一、二塁から宗佑磨が8球粘ると、最後はレフトオーバーの打球を放ち、これが走者一掃のサヨナラ適時二塁打に。オリックスが3連戦の初戦を劇的なサヨナラ勝ちで収めた。
宗は「まず同点を考えていて、大きいのじゃなく繋いでいこうと思ってました。粘って四球で後ろに繋ぐ気持ちでいました」と振り返り、「しっかり状況を考えて、チームのために自分が出来る最大のパフォーマンスを謙虚にやっていく。きょうみたいに最後まで諦めない気持ちで1勝1勝していきます」と自薦を見据えた。
また、直前にバント失敗があったことについては、「ミスは誰にでもあること。みんなでカバーしていけばいい」と語り、水本勝己ヘッドコーチの「試合前に全員でひとつになっていこう」という発案により、ベンチ入りのメンバー全員がグータッチをしていることを例に挙げて、チームが初回からひとつの方向に向いていたことを強調した。
中嶋監督は「よくひっくり返しました。あれが今までだったら同点止まりだったのが、こういう形が出来る様になってきた。8回のホームランからガラッと(雰囲気が)変わりましたし、9回は、うるし(漆原)がしっかり抑えましたし、流れが来たのかなと。よく一気に行った。ホントにいい集中力で最後入れたと思う」と選手たちを称えた。
さらに、「その前にバントの失敗があって、ああいうミスを誰かがカバーし合えるのが強いチームになっていくと思うので、どうやってみんなで取り時に行こうかというのが非常に見えたいい打席だったと思う。これで山足も頑張って練習してくれると思うし、このまま負けてたら一人で背負い込んじゃうから、勝てて良かったです」と、安堵の表情を見せた。
漆原の起用については「前回も漆原が3人で抑えてサヨナラ勝ちをしたので、勝ち運を持ってるのかな?と思いながら最終回を見てました」と語り、「また全員でしっかり繋いでやっていきたい。同点止まりじゃなく、勝てたことでスッキリはしましたけど、ホークス相手なんで、明日、明後日も勝てるようやっていきます」と、次戦に向けて気持ちを切り替えていた。
取材・文=どら増田