“台湾の大王”、ついに本領発揮?
札幌でのソフトバンク戦に2連敗…。
これで本拠地での対ソフトバンク戦の連敗が「10」に伸びてしまった日本ハム。
開幕ダッシュの失敗に、ここに来てコロナショックによる選手の相次ぐ離脱…。
なかなか復調のキッカケを掴むことができない中、救世主となってくれそうな選手が出てきた。
今年が来日3年目、27歳の王柏融(ワン・ボーロン)である。
台湾リーグで2度のシーズン打率4割を達成し、2017年には三冠王も達成した“台湾の大王”。
鳴り物入りでNPBにやってきた男も、1年目は88試合の出場で打率.255、本塁打は3本で35打点とやや物足りない成績。
すると、コロナ禍の昨季は52試合と出場を減らし、打率も.207で2本塁打と数字がダウン。今季は開幕一軍入りも逃すなど、苦しい戦いを強いられていた。
それが今季はチーム全体が新型コロナウイルスの打撃を受けた中、転がり込んできたチャンスに奮起。
ここまで10試合の出場で打率は.393。早くも昨季に追いつく2本塁打をマークするなど、ついに開花の気配を漂わせている。
インサイドをファウルにせずスタンドまで…
15日のソフトバンク戦でも、好調ぶりが認められて「4番」を任されると、4回の第2打席でライトスタンドに叩き込む豪快な2ラン。
5月の成績は打率.409で2本塁打と、試合に出れば出るほど状態も上向いてきている。
15日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、番組に出演した解説陣から称賛の言葉が。
同じ“左打ち外野手”としてプロの世界で活躍した真中満氏は、「期待されて入ってきて、去年もなかなか結果が出なくて。今年は開幕から二軍という中、非常に悔しい想いをしたと思うんですよね。そこでコロナの関係で選手が薄くなったので一軍に上がってきたわけですけど、何か“最後のチャンス”という感じでね、非常に頑張っているなと思いますね」と、背番号3ににじむ背水の覚悟を感じ取る。
また、この日の本塁打について、解説者の平松政次氏は「インサイドの難しいボールですよ。芯に当たったらファウルかな、というボールをスタンドに入れるんですからものすごい技術を持っていますよね」と、その打撃技術を絶賛。
ここまでの歩みについても、「期待されてやって来ると力も入りますからね。こうして“のんびり”とは言わなくとも、気楽に打たせたら素晴らしいバッティングをしますよね」と語り、今後の活躍にも期待を寄せた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2021』