今年も外国人選手のケアを欠かさない
西武はあす14日、今季から加入する新外国人選手のうち、すでに来日している3名の入団会見を実施する。
バーチ・スミス投手(31)、ディートリック・エンス投手(30)、ブライアン・オグレディ選手(29)の3名が、初めて新天地のユニフォームに袖を通す。
開幕まで2週間を切った中でのようやくの合流。100%の力を発揮するためにはこれからチームに馴染んでいくことも不可欠だ。
本領発揮にはまだまだ時間を要することも考えられるが、その心配は必要ないかもしれない。というのも、彼らはすでに西武で戦うイメージや球団の歴史、球場の雰囲気などを“予習済み”だと言う。
新型コロナウイルスの影響で各選手の来日が叶わない中、新たな仲間をサポートしていたのが球団の国際部門のスタッフたち。1月下旬頃から各選手に対して毎日「Something about Lions」と題したメールを配信し、日々コミュニケーションをとっていたのだ。
現在チームに所属する国際サポート(通訳)の4人と国際戦略スタッフ、国際業務スタッフの計6名人が中5日の持ち回りで配信していたというメール。その内容は 日本の「球場」から「遠征」について、「球団の歴史に「野球観」そして「食事」など多岐にわたる。
不安が多い異国の地での戦いを前に戸惑うことがないように、また来日時の心配事をひとつでもなくすために、6人のスタッフが知恵を絞ってネタを考え、パソコンと向き合っていた。
画像はそのひとつ。国際サポート(通訳)の一人は、「たとえ日本食に飽きた場合も、ベルーナドーム内にあるL's CRAFTのコロラドピザは絶品なので安心」と力説。
過去に在籍した外国人選手に頻繁に頼まれて買いに行っていたことを引き合いに、これを「外国人選手にいちばん伝えたい事」とした。
また、もう一人のスタッフは1987年の日本シリーズでの“伝説のシーン”を取り上げる。
巨人との日本シリーズ第6戦、西武が日本一に王手をかけるのがこの試合。1点リードの8回二死の場面、一塁走者は現監督の辻発彦だ。秋山幸二がセンター前へ安打を放つと、相手のスキを見逃さずに一気に本塁へ生還。日本一を手繰り寄せる追加点を奪ったシーンについて、動画とあわせて紹介。チームに流れる1点を貪欲に取りに行く姿勢などを伝えた。
思えば昨季も、母国の家族と会うことができず、異国の地で一人で戦う外国人選手たちに向けて、母国の家族やチームメイトからのビデオメッセージを球場内で上映するサプライズ演出が話題になった西武。今年もチーム全体で外国人選手のケアをしていく姿勢は変わらない。
コメント
▼ 球団本部 国際戦略チーフ・宮村俊介氏
春季キャンプが始まっても来日できないという状況下で、『チーム全体で新外国人選手をバックアップするんだ』という事を選手たちには感じてもらいたかったのがこの『Something about Lions』を始めたきっかけです。
どの内容も来日後に直接会えば普段の会話で出てくるもの。その後の会話の中で、彼らの口から甲子園や富士山というワードが出てきたときは、メッセージが伝わっていたんだ、と感じました。
明日の会見では、一足早くライオンズの一員になっていた彼らの言葉にご注目いただきたいです。