「ちょっと信じられなかった」本塁憤死
27日、ZOZOマリンで行われたロッテ-楽天の一戦は延長12回・3-3の引き分け。
ロッテは11回にサヨナラのチャンスを作ったが、あと1本が出ずに勝ち切ることができなかった。
3-3で迎えた11回裏。楽天の5番手・津留﨑大成に対して先頭の和田康士朗が左中間に二塁打。守備から途中出場した足のスペシャリストが最高の形でサヨナラ機を演出する。
中村奨吾が1球で犠打を決め、ブランドン・レアードは申告敬遠。代走・平沢大河が投球間に二塁へと進んで一死二・三塁とし、打席には佐藤都志也。
2ボール・2ストライクから外寄りの速球をマウンド左にゴロで弾き返すも、ここは相手の遊撃手・山﨑剛がうまく捌いてクルっと一回転で本塁へ送球。俊足・和田がホームに突っ込むも、ストライク送球が返りタッチアウト。サヨナラのホームインとはならなかった。
その後の二死一・三塁も菅野剛士が内野フライに倒れてこの回は無得点。12回も両軍無得点に終わり、試合はそのままドローの決着に。
27日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、運命を分けた11回の攻撃が話題に。解説者の笘篠賢治氏は「和田が悠々アウトになるというのはちょっと信じられなかったですね」と振り返る。
一死とは言え、試合を決めきる絶好のチャンス。笘篠氏は「あのケースは一・三塁であっても二・三塁であってもギャンブルスタートを採る場面。そこで和田が第二リードをどれだけ取れていたのか、ギャンブルスタートを切ることができたのか」がポイントになったと解説。
つづけて「スタートが切れなかった要因を挙げるなら、打者が左の佐藤だったという点ですね。右打者の時と比べて捕手が三塁走者を見やすいので、一歩が出づらいところではある」と難しい部分はあったとしつつ、「指示が出ているのであれば、思い切って第二リードを取ってバットに当たった瞬間にスタートを切ること。それができていればもっと良いタイミングに持って行くことができたと思う。和田の脚があれば特に」と語った。
同じく番組に出演した谷繁元信氏も「この場面の指示はギャンブルスタートだと思います」としたうえで、「本塁アウトのタイミングを見ると、スタートが良くなかったのかなと」と、笘篠氏と同様に思い切った走塁ができなかったのではないかという見立てを語る。
最後は「走塁に関しては、井口監督が先の塁を狙うという姿勢を就任以来かなり浸透させてきた。最後の詰めの部分でもうちょっと思い切ったことができれば、この試合は取れていたかもしれない」とまとめ、少しの勇気、コンマ何秒の決断が勝負を分けたと振り返った。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』