「野球をよく知っている」
広島はホームで巨人に競り勝ち、このカードは1勝1敗のタイ。
順位表を見ても、4位・巨人が勝率.475で5位・広島は勝率.470。ゲーム差「0.5」に接近している。
終盤までもつれた27日の試合。決着をつけたのは頼れる男のバットだった。
4-4と追いつかれた直後の8回裏。先頭打者の大盛穂が三塁打で勝ち越しのチャンスを作ると、2番・羽月隆太郎のところで代打・菊池涼介のコール。新型コロナ陽性からこの日一軍に帰ってきた男の登場に、場内が沸き立つ。
2ボール・2ストライクと追い込まれるも、イアン・クロールが投じた外寄りの速球になんとかバットを合わせると、渋い当たりが前進守備の一二塁間を突破。三塁から勝ち越しの走者が還り、場内は再び大歓声に包まれた。
さらに菊池は相手のエラーで本塁まで還り、6-4とリードを拡大。9回は守護神・栗林良吏が締め、広島が競り勝った。
27日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した齊藤明雄氏は「役者が帰ってきましたね」と、復帰初戦の、それも代打の1打席で結果を出した菊池を称賛。「はやく出たいという気持ちが本当に強かったと思う。それが良い結果につながったかなと」とし、つらい時期を乗り越えた男の躍動を称えた。
菊池の魅力について、齊藤氏が「勝負どころで自分の打撃ができる選手。無理して引っ張らず、逆方向へと。こうやって点を取ってくれるんですから、野球をよく知っている」と語れば、阿波野秀幸氏も「長打もある、セーフティスクイズもある。そして今回のような、読んだような安打もあると。ランナー三塁で出てこられたら、投げている方は非常に苦しい」と、その“厄介さ”を強調。
まだまだ上位進出を諦めないチームに、心強い選手が帰ってきた。広島に菊池涼介あり、解説陣も熱視線を送っている。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』