今季初登板
ロッテの唐川侑己が16日のオリックス戦で今季初登板を果たした。
オープン戦が始まってからファームで調整し、オープン戦の最終盤となった3月25日の中日戦で一軍の実戦初登板。同日の中日戦で1イニングをわずか8球、2つの三振を奪うさすがの投球を見せたが、開幕は二軍スタートだった。
「一応(開幕は)ファームになっていましたけど、開幕で投げられる準備はしてきました」。
ファームでは5試合・5イニング、被安打はわずかに1、奪三振6、与四球0、防御率0.00と抜群の成績。「準備自体はできているのかなと思います」。14日に特例2023で一軍登録を抹消した小川龍成の代替指名選手として、今季初めて一軍に昇格した。
16日のオリックス戦、1-2の6回にマウンドに上がり、一死走者なしから頓宮裕真にセンター前に運ばれたが、続く若月健矢をカットボールで遊併に仕留め、今季初登板を1回無失点で終えた。
チェンジアップとカーブ
今季もストレート、カットボールが投球の生命線であることに変わりないが、変化球の引き出しが増えた。
まずは、昨季まで左打者にしか投げていなかったチェンジアップを右打者にも投げるようになったことだ。「右にもチェンジアップを投げられたらいいなというところで、ファームで何回か投げていますね」。一軍昇格前の4月12日の巨人二軍戦では、0-7の6回二死走者なしで1ストライクから小林誠司に外角130キロのチェンジアップを投げ、ファウルにした。
3月22日の西武二軍戦、3-2の8回一死走者なしで髙木渉への初球、空振りを奪った131キロのチェンジアップは、球速自体はいつもと同じだったが、いつもより気持ち速く見えた。そのことについて質問すると、唐川は「カウントをとりにいった時ですかね、チェンジアップは基本的に抜くんですけど、抜く中でもどれくらい抜くかが自分の中である。よりコントロールをしたいときは、そんなに抜かない時があるのかなと思います」と教えてくれた。
そして、カーブも3月25日の中日戦、0-1の7回、先頭のアキーノを2ストライク0ボールから空振り三振を奪った115キロのカーブは、これまでの大きく曲がっていくものではなく、縦に落ちるような軌道に見えた。
「(軌道は)変えてはないです」とのことだが、「カーブはどんどん速くしたいという思いがあるので、チャレンジ中という感じです。中継ぎで投げているので、空振りも取りたい。そういった部分では遅いよりも速い方が、山をなるべくなくして投げたい」とスピードを求めている。
また、投球面でも16日のオリックス戦は外中心だったが、ファームでは追い込むまでインコースで攻め、追い込んでからアウトコースのカットボール、ストレートで打ち取っていくことが多かった。
「球速があるわけではないので、コースにしっかり投げていくところが大事だと思います。そこら辺は自分の中で詰めていきたいところではあります」。
開幕はファームスタートだったが、いつ一軍に呼ばれてもいいように準備はしてきた。「チームは新しくなってその年にみんなで一つになって優勝を勝ち取るというのに意味があると思うので、その中のひとピースになれるように頑張りたい」。チームの勝利、そしてその先のリーグ優勝で戦力として貢献するため、腕を振る。
取材・文=岩下雄太