並ばれても突き放す!交流戦最多「28勝目」
ヤクルトは10日、敵地での西武戦に2-0で勝利。先発した石川雅規は6回途中無失点の好投を見せ、1カ月ぶりとなる今季2勝目(3敗)を掴んだ。
ルーキーイヤーの2002年から22年連続で白星を挙げている大ベテランは、この日も序盤から丁寧なピッチングを展開。2回は先頭の二塁打からピンチを招いたが、女房役・中村悠平の盗塁阻止などもあって無失点で切り抜ける。
動きがあったのは1-0で迎えた6回裏、二死走者なしから外崎修汰に安打を許したとことでベンチが交代を決断。代わった大西広樹がデビッド・マキノンを1球で遊ゴロに仕留め、石川の勝利投手の権利を守った。
ヤクルトはその後もリリーフが踏ん張ると、9回表に山田哲人が適時二塁打を放って待望の追加点。2-0の9回は田口麗斗が危なげなく3人で締めくくり、5回2/3を投げて無失点の石川に通算185勝目がついた。
通算200勝まであと「15」と迫ったことに加え、交流戦通算28勝目は歴代単独トップ。この前日、9日の試合でソフトバンク・和田毅が27勝目を挙げて石川と並んでいたが、すぐに頭ひとつ抜け出して見せた。
10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大矢明彦氏は、石川の好投の要因として「淡々と自分のペースで投げたこと」と「ストライク先行ができたこと」を挙げながら、「すごく丁寧に投げていましたし、その中でクイックで投げたりもして、“巧いな”と感じさせるような投球だった」と称える。
同じく番組に出演した斎藤雅樹氏も「本当にベテランらしい良い投球でしたね」と振り返りながら、交流戦最多勝利という記録については「いつも対戦しているとなんとなくタイミングも分かってくるんでしょうけど、1年に1回あるかないかのパ・リーグのチームからすると打ちづらいと思う」と語り、対戦してみないと分からない“投球術”を賞賛した。
近年は先発投手でも150キロ台後半の速球を投げ込むシーンが珍しいものではなくなってきたが、大矢氏は「投手は160キロ出なくても勝てるんです。石川はそういうテクニックを持っていますよね」とコメント。
身長167センチの小柄な身体でプロ野球界を20年以上生き抜いてきた“小さな大投手”は、プロ22年目・43歳を迎えてもまだまだ健在。NPBだけで200勝を挙げた投手は2008年の山本昌を最後に達成者がいないだけに、石川にその希望を託したい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』