初完投で今季4勝目、交流戦は3戦3勝
DeNAのトレバー・バウアーは14日、本拠地での日本ハム戦に先発登板。中4日での登板ながら113球の熱投で被安打3、奪三振12の完投勝利。失点はソロホームランによる1点のみという貫禄の投球で今季4勝目(2敗)を挙げた。
MLBの大物が本格的に目を覚ました。5月序盤の2戦連続の大量失点から見事に立ち直り、直近の3試合すべてでクオリティ・スタートを達成。これには三浦大輔監督も「最高のピッチングをしてくれた」と最敬礼。「完投もそうですけど、勝てたことが大事。最高のピッチングをしてくれました」と繰り返し称賛した。
バウアーは「GOOD!登板するときはいつでも完投することを目標にマウンドに上がりますので、それができたことは満足しています」と第一声。序盤はスピードも上がってこないところが見受けられたが、これには「6回くらいまでは、なぜか身体が起きてこなかった」と明かしつつ、徐々にペースを取り戻したうえで、「最終回はお客さんの大きな声援もあり、そこで一番身体が起きた」とファンの声援に感謝を述べた。
2-1で迎えた9回には一死三塁と一打同点のピンチも招いたが、「ランナーが出た時点で、もう2つのアウトは三振で取ろうという気持ちになりました」と逆にスイッチが入ったと言い、その通りに実行できたことに胸を張った。
全体を通したこの日の投球に関しては「いいテンポ、いいリズムでというのは試合前に自分でも意識していた部分ではあったので、今日は首を振ることも少なくと心がけていた」としつつ、「ただ、首を振ってホームランを打たれたことはバカだった」と自嘲気味に振り返っている。
来日最多の12奪三振も「目標には15個足りなかった」と笑いを誘いつつ、「一番は伊藤光のリード。自分たちのゲームプランを遂行してくれた」と女房役に感謝。
また「カーブが良かったので、カーブを低めに投げることで高めのボールが有効になり、カットやチェンジアップなど真ん中に集まるボールを有効に使えたのも、カーブがしっかりと低めに決まったから」と振り返り、自慢のナックルカーブの精度が高かったことも好投の理由とした。
お立ち台では「ヨコハマ、サイコウチョウ!」と満面の笑みで叫び、ファンの心を掴んだバウアー。メジャーの大物が本領を発揮すれば、めざす頂にも自ずと手が届くはずだ。
取材・文=萩原孝弘