ストレートに自信
「良い感じで投げられていると思います」。
ロッテの育成・田中楓基はファームで14試合・22回1/3を投げ、1勝3敗、防御率6.45だが、フレッシュオールスター明けの2試合はリリーフでいずれも力強いストレートで相手打者を抑え込んでいる。
「7月があんまりいい結果じゃなかったので、まっすぐをしっかり投げようと8月に入ってからまだ2試合(実際は1試合で7月30日のDeNA二軍戦は1回無失点)しか投げていなんですけど、いい感じで強く投げられているかなと思います」。
今年5月に取材を行った時には、“ストレートの質”にこだわっていると話していたが、現在のストレートについて「春先より球も強くなっていると思います。球速自体も少し速くなってきているので、手応えはあります」とのことだ。
「横の変化しか持っていないので、縦に落ちるチェンジアップ、フォークであったりどちらかはいずれ投げられるようになりたいなという意識で投げています」と春先はフォークも公式戦で投げていたが、ここ最近はストレートとスライダーの2種類のみ。フォークは引き続き練習では投げているが、試合では投げていない。
「真っ直ぐがゾーンの中で強く投げられているぶん、スライダーを投げている時に空振りだったり、最近見逃しが取れるようになってきたので、そこは同時進行といえば同時進行かなと思います。スライダーを今大きいのと小さいのを2つ投げているという感じですね」。今はストレートとスライダーに重点に置いて、試合では投げている。
制球も向上
制球の不安定さも徐々に解消されつつある。直近2試合はいずれも無四球。そのため、7月30日のDeNA二軍戦は1回・12球、8月5日のヤクルト二軍戦も1回2/3・14球と少ない球数だった。
「だいぶ自分のチェックポイントがわかるようになってきました。悪い時も修正がきくようになってきたというか、以前は修正がきかなかったんですけど、最近は修正ができるようになってきました」。
修正がきくようになってきた理由について「投げる回数が増えてきてわかるようになってきたという感じですね」と説明した。
あとは実戦経験を積んでいく中で、安定した投球を“継続”できるかがポイントになってくる。「もう少しやりたいこともあるので練習してやっていきたいと思います」と田中楓。
具体的に“やりたいこと”について「落ち球もそうですし、ランナーが出た時に盗塁をすごくされちゃうので、そこの対策だったり、もっともっとストレートを強く投げられるようにというところですね」と教えてくれた。
「来年に向けて、支配下取れるように課題を潰していきたいなと思っています」。ファームで結果を残すことも大事だが、今は数年後、一軍で活躍するための準備期間。もちろん、ただ漠然と練習や試合に臨んでいても課題は克服できないが、取材を通して自分の課題点と向き合っているように見える。一歩一歩、田中楓基のペースで成長していって欲しい。
取材・文=岩下雄太