【侍ジャパンU-18壮行試合】
○ 大学日本代表　8 － 0　高校日本代表 ●
（28日・東京ドーム）

　大学日本代表は28日、31日から台湾で開幕する「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場する高校日本代表と対戦し、8-0で勝利した。5回から5番手で登板した東洋大・細野晴希投手（4年・東亜学園）は自己最速を3キロ更新の158キロをマークするなど1イニングを3者凡退、2奪三振と圧巻の投球を披露した。

　ビジョンに「158キロ」が映し出されると、東京ドームがどよめきに包まれた。5回からマウンドに上がった左腕は先頭の小林を2球で追い込むと、3球目に自己最速を1キロ更新する156キロを叩き出した。ファウルとされたが、4球目も高めに156キロ直球を投げ込み、空振り三振。続く知花も2球で追い込むと、さらに1キロ上回る157キロを投じ、2者連続で空振り三振に斬った。9番・緒方に対しては1ボール2ストライクで追い込んだ4球目、高めに抜けるも自己最速となる158キロを計測。2万5943人の観衆からのざわめきがどよめきに変わる中、最後は154キロの剛球で右飛に打ち取り、相手の下位打線をわずか13球で完璧に封じた。

　今秋ドラフト上位候補がそろい踏みしたが、左腕は自己最速を3キロ更新するなど、その中でも実力を十分に発揮。それでも「まだバットに当てられていたり、ファウルにされているので、そこはまだ改善できる」とさらなる高みを見据えた。

　今春の2部リーグ戦では7試合に登板し、無傷の5勝でチームを2部優勝、5季ぶりの1部昇格に導いた。今秋からは神宮に主戦場を移し、大学ラストシーズンを迎える。「今までは少し疲れた状態で投げていたんですけど、トレーニングの量を少し減らしたことで最近は体が軽い感じで投げることが出来ている。自分の出力が上がっているのか確かめたかった部分もあるので、秋につながるかなと思います」と細野。自慢の剛球を武器に、神宮でも相手打者を圧倒する。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）