田中将大の奮闘も光る
楽天は2日、敵地でのロッテ戦に5-3で逆転勝ち。ビハインドのまま終盤戦を迎えるも、7回に2点を挙げて追いつき、土壇場9回に再び2点を奪って試合をひっくり返した。
勝利の立役者となったのが、「7番・一塁」で先発出場した阿部寿樹だ。2点を追う3回表、先頭で迎えた第1打席で種市篤暉から反撃の一発を放つと、3-3で迎えた9回表一死二塁のチャンスでは相手の守護神・益田直也から値千金の適時三塁打。続く小郷裕哉の適時打でホームを踏み、この日は2安打2打点・1得点と躍動した。
トレードで今季から楽天にやってきた33歳は6月まで苦しい戦いを強いられたものの、7月に月間打率.304をマークして復調の兆しを見せると、8月も月間打率.339で9打点を叩き出すなど状態はさらに上向き。勢いに乗って勝負の9月を迎えた。
2日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大矢明彦氏も、阿部の活躍には「楽天に行ってからなかなか良いところがなかったんですが、ここに来てベテランらしい働きをしていますね」と本領発揮に目を細める。
続けて、「ベテラン選手はいま自分たちがどんな位置で試合をしているかというのをよく分かっている。それを踏まえた働きをしてくれますし、ここ一番でこうして活躍してくれる選手がいるというのは心強いですね」と勝負の夏場、終盤戦における“ベテラン”の重要性を強調した。
また、その“ベテラン”といえばこの日先発した田中将大も7回3失点と力投。白星はつかなかったが、味方打線の援護を待ちながら苦しい場面も踏ん張って試合を作った。
同じく番組に出演した斎藤雅樹氏は、この田中の投球について「7回3失点ですから、十分に仕事を果たしましたね。特に味方が追いついてくれた後、7回裏もしっかりと抑えたというところ。“ここは絶対に点をやらないぞ”という気迫がみなぎっていましたね」と振り返り、投のベテランの奮闘も称えた。
残念ながら白星はつかず、「日米通算198勝目」はお預けとなってしまったものの、大矢氏は「ここからひとつひとつの勝ち星は大変だと思いますが、ものすごく大事だし、思い出に残ると思う」と偉業への道のりについても言及。
続けて「かんたんに行かず、苦労はするでしょうけど必ず達成できると思いますよ」とエールを送り、次回以降の登板に期待を寄せた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』