「2024年自分自身の開幕なのですごく緊張すると思いますが、オープン戦同様自分らしいピッチングができるように、そしてチームが勝てるように投げていきたいなと思います」。
ロッテの種市篤暉は14時から行われる日本ハム戦で今季登板・初先発する。
昨季シーズン自己最多の10勝を挙げ、奪三振はリーグ2位の157を記録したが、136回2/3で規定投球回にわずかに届かず。昨年シーズン終了後にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習中の取材で「1年間通して思ったのが、シーズン中盤、終盤くらいにかけて試合の方がメインになってくる。体力回復、コンディショニングの部分が多くなってくるので、ウエイトの量も絶対落ちてきますし、その中でやっぱり筋量をキープするのがきつかったなと個人的に思いました。なので、オフシーズンに貯金を作ってシーズン前半キープしながら、後半ちょっと落としていければ良いかなと個人的に思っています」と、23年シーズンを踏まえてフィジカルメインに自主トレに励む考えを示した。
12、1月の自主トレでは「ウエイト的にも重量をだいぶ上げられてきていますし、体の数値も良くなっているので、そこは続けていきたい」と順調そのもの。「何が上がったと言われたら、技術面は投げないとつかないと思っているので、キャンプ、今の時期にもうちょっと色々突き詰めていければなと思います」と、石垣島春季キャンプ、その先のシーズンに向けて着々と準備を進めた。
2月の石垣島春季キャンプでも「オフシーズンと変わらず、普通にトレーニングしています」と、体力、技術向上に励み、「2月、3月はやっぱり実戦に向けて技術を上げる期間だと思っているので、今の時期に色々変えられるところは変えていきたいなと思いながらやっています」と話した。具体的に変えているところについては「フォームもそうですし、トレーニングの仕方でもそうですけど、変化できる一番の期間だと思っています」と教えてくれた。
練習試合、オープン戦に向けて「もちろんトータルで勝負できるように真っ直ぐだったり、変化球だったりという感じです」と話した中で、2月23日の楽天との練習試合で今季初実戦は2回・33球を投げ、1安打、1奪三振、2与四球、無失点に抑え、3月2日の西武とのプレシーズンマッチでは「足の上げ方をちょっとだけ。意識的では無いんですけど、そっちの方が自分は合っているのかなと思います」とフォームを微修正し、2回・36球、0被安打、2奪三振、1与四球、無失点。
2日の西武戦ではコルデロ、佐藤龍世から奪った三振がストライクゾーンからストライクゾーンへのフォークだった。「フォークの状態が良いので、コースの投げ分けもできるくらいの精度じゃないかなと思っています。ゾーンに投げて、自信を持って投げていました」と説明した。
3月6、7日に京セラドーム大阪で行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表」の日本代表に選出。種市は若手時代に世代別の代表、昨年のWBCのサポートメンバーに選出されたことはあったが、初の代表入り。
7日の欧州代表戦では、7回終了時点で侍ジャパン投手陣が欧州代表打線をパーフェクトに抑え、2-0の8回からマウンドへ。先頭のチェルベンカを144キロのフォークで三ゴロに打ちとると、続くベルトレを143キロのフォークで一ゴロ、代打・パオリーニの打球を種市がグラブを弾くもショート・源田壮亮(西武)が難なく処理し、遊ゴロで完全試合を継続。
イニング間に「初回の感じが良くなかったので、もうちょっと人差し指を使っているイメージだったのを変えたら、だいぶ落ち幅が良くなったのでイニング間に修正できたのは良かったかなと思います」とフォークの握りを修正。先頭のエンカルナシオンを142キロのフォークで空振り三振に仕留めると、続くムジクを143キロのフォークで空振り三振、最後は代打・プロファーを147キロのフォークで試合を締めた。9回に入りフォークのスピードが145キロ以上計測したのも、イニング間の修正が活きたとのこと。
代表期間について種市は「楽しかったですし、一流の選手の話をたくさん聞くことができたので、チームに戻っても還元したいと思いますし、シーズンに繋げていきたいと思います」と貴重な経験、財産を手にし、マリーンズへと戻った。
欧州代表戦以来のマウンドとなった3月16日のオリックス戦では4回・45球、2被安打、3奪三振、0与四球、無失点。1-0の3回一死二塁で杉本裕太郎に対し、「インコース、3球連続で続けたので、ちょっとインコースを意識しているなと思ったので、外の曲がり球を使いました」と、インコースのストレートで追い込み、4球目の134キロスライダーでタイミングを外して遊ゴロに打ち取ったのは今までにない新しい種市篤暉を見たような気がした。
3回までほとんど投げていなかったカーブも、1-0の4回一死走者なしで紅林弘太郎に2ストライクから意表を突いた128キロのカーブで見逃し三振に仕留めた。4年前に苦手と話していたカーブを「球種が少ないからです」という理由で、今季から投げ始めているが、カウント球だけでなく、追い込んでからも使うことが多い。現状ではカーブはどういう位置付けなのだろうかーー。「シーズン中に成長させていければいいかなと思います」。種市らしく、現状に満足することなく、さらに良いものを探していくつもり。
オープン戦最後の登板となった3月23日の中日戦も5回・70球、0被安打、4奪三振、2与四球、無失点と完璧に抑え込んだ。結局、種市は2月の練習試合、3月の代表戦、オープン戦、15イニング無失点でシーズンを迎えることになった。
「とにかくシーズンを完走したいです」と種市。今季は獲れるなら全部獲りたいとタイトルに意欲を見せ、中5日での先発を増やしたいと意気込むなど、そこに向けて現在進行形で取り組んでいる。飽くなき向上心で常に進化を求める背番号16は今季、シーズン終了したときにマリーンズの先発投手として、そしてNPBでプレーする日本人先発投手の中でどういう立ち位置になっているのか非常に楽しみである。まずは今季初登板、最高なスタートを切りたい。
取材・文=岩下雄太
ロッテの種市篤暉は14時から行われる日本ハム戦で今季登板・初先発する。
昨季シーズン自己最多の10勝を挙げ、奪三振はリーグ2位の157を記録したが、136回2/3で規定投球回にわずかに届かず。昨年シーズン終了後にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習中の取材で「1年間通して思ったのが、シーズン中盤、終盤くらいにかけて試合の方がメインになってくる。体力回復、コンディショニングの部分が多くなってくるので、ウエイトの量も絶対落ちてきますし、その中でやっぱり筋量をキープするのがきつかったなと個人的に思いました。なので、オフシーズンに貯金を作ってシーズン前半キープしながら、後半ちょっと落としていければ良いかなと個人的に思っています」と、23年シーズンを踏まえてフィジカルメインに自主トレに励む考えを示した。
12、1月の自主トレでは「ウエイト的にも重量をだいぶ上げられてきていますし、体の数値も良くなっているので、そこは続けていきたい」と順調そのもの。「何が上がったと言われたら、技術面は投げないとつかないと思っているので、キャンプ、今の時期にもうちょっと色々突き詰めていければなと思います」と、石垣島春季キャンプ、その先のシーズンに向けて着々と準備を進めた。
2月の石垣島春季キャンプでも「オフシーズンと変わらず、普通にトレーニングしています」と、体力、技術向上に励み、「2月、3月はやっぱり実戦に向けて技術を上げる期間だと思っているので、今の時期に色々変えられるところは変えていきたいなと思いながらやっています」と話した。具体的に変えているところについては「フォームもそうですし、トレーニングの仕方でもそうですけど、変化できる一番の期間だと思っています」と教えてくれた。
練習試合、オープン戦に向けて「もちろんトータルで勝負できるように真っ直ぐだったり、変化球だったりという感じです」と話した中で、2月23日の楽天との練習試合で今季初実戦は2回・33球を投げ、1安打、1奪三振、2与四球、無失点に抑え、3月2日の西武とのプレシーズンマッチでは「足の上げ方をちょっとだけ。意識的では無いんですけど、そっちの方が自分は合っているのかなと思います」とフォームを微修正し、2回・36球、0被安打、2奪三振、1与四球、無失点。
2日の西武戦ではコルデロ、佐藤龍世から奪った三振がストライクゾーンからストライクゾーンへのフォークだった。「フォークの状態が良いので、コースの投げ分けもできるくらいの精度じゃないかなと思っています。ゾーンに投げて、自信を持って投げていました」と説明した。
3月6、7日に京セラドーム大阪で行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表」の日本代表に選出。種市は若手時代に世代別の代表、昨年のWBCのサポートメンバーに選出されたことはあったが、初の代表入り。
7日の欧州代表戦では、7回終了時点で侍ジャパン投手陣が欧州代表打線をパーフェクトに抑え、2-0の8回からマウンドへ。先頭のチェルベンカを144キロのフォークで三ゴロに打ちとると、続くベルトレを143キロのフォークで一ゴロ、代打・パオリーニの打球を種市がグラブを弾くもショート・源田壮亮(西武)が難なく処理し、遊ゴロで完全試合を継続。
イニング間に「初回の感じが良くなかったので、もうちょっと人差し指を使っているイメージだったのを変えたら、だいぶ落ち幅が良くなったのでイニング間に修正できたのは良かったかなと思います」とフォークの握りを修正。先頭のエンカルナシオンを142キロのフォークで空振り三振に仕留めると、続くムジクを143キロのフォークで空振り三振、最後は代打・プロファーを147キロのフォークで試合を締めた。9回に入りフォークのスピードが145キロ以上計測したのも、イニング間の修正が活きたとのこと。
代表期間について種市は「楽しかったですし、一流の選手の話をたくさん聞くことができたので、チームに戻っても還元したいと思いますし、シーズンに繋げていきたいと思います」と貴重な経験、財産を手にし、マリーンズへと戻った。
欧州代表戦以来のマウンドとなった3月16日のオリックス戦では4回・45球、2被安打、3奪三振、0与四球、無失点。1-0の3回一死二塁で杉本裕太郎に対し、「インコース、3球連続で続けたので、ちょっとインコースを意識しているなと思ったので、外の曲がり球を使いました」と、インコースのストレートで追い込み、4球目の134キロスライダーでタイミングを外して遊ゴロに打ち取ったのは今までにない新しい種市篤暉を見たような気がした。
3回までほとんど投げていなかったカーブも、1-0の4回一死走者なしで紅林弘太郎に2ストライクから意表を突いた128キロのカーブで見逃し三振に仕留めた。4年前に苦手と話していたカーブを「球種が少ないからです」という理由で、今季から投げ始めているが、カウント球だけでなく、追い込んでからも使うことが多い。現状ではカーブはどういう位置付けなのだろうかーー。「シーズン中に成長させていければいいかなと思います」。種市らしく、現状に満足することなく、さらに良いものを探していくつもり。
オープン戦最後の登板となった3月23日の中日戦も5回・70球、0被安打、4奪三振、2与四球、無失点と完璧に抑え込んだ。結局、種市は2月の練習試合、3月の代表戦、オープン戦、15イニング無失点でシーズンを迎えることになった。
「とにかくシーズンを完走したいです」と種市。今季は獲れるなら全部獲りたいとタイトルに意欲を見せ、中5日での先発を増やしたいと意気込むなど、そこに向けて現在進行形で取り組んでいる。飽くなき向上心で常に進化を求める背番号16は今季、シーズン終了したときにマリーンズの先発投手として、そしてNPBでプレーする日本人先発投手の中でどういう立ち位置になっているのか非常に楽しみである。まずは今季初登板、最高なスタートを切りたい。
取材・文=岩下雄太