「自分自身にその日に合わせてできたというところだと、今年初めて投げる試合でゲームに入れたのは収穫があるかなと思います」。
ロッテ・唐川侑己は今季初登板となった4月16日の西武戦、5回までパーフェクトに抑えるなど、2年ぶりの白星はお預けとなったが、6回・67球を投げ、1安打、7奪三振、0与四球、無失点の好投を見せた。
「ストレートは投げていなくて、カットボールだけでした。全部カットです」。
風速10メートル以上の風が吹く中、カットボールが冴え渡った。初回先頭の金子侑司を1ボール2ストライクからカットボールで空振り三振に斬って取ると、2回も先頭のアギラーを2ボール2ストライクから浮き上がってくる146キロのカットボールで空振り三振、この日初めて走者を背負った1-0の6回二死二塁で金子を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた球種も144キロのカットボールだった。
「風があったので、それでカットボールの成分が高かったので、それによってフライ、空振りが多かったのかなと思いますね」。
カットボールと共に、左打者へのチェンジアップも良い抜けだった。特に0-0の2回一死走者なしで栗山巧に対し、初球134キロのチェンジアップで見逃し、続く2球目も134キロのチェンジアップで空振り、3球目の144キロのカットボールをファウルにさせ、4球目の134キロ外角に逃げるチェンジアップで空振り三振。栗山を空振り三振に仕留めたチェンジアップは素晴らしかった。
「バッターが僕のイメージはカットに入ってくると思うので、そこでチェンジアップをしっかり投げられたら有効かなと思うので、それがたまたまいい球がいった感じかなと思います」。
16日の投球では初回、金子侑司の2球目にカーブを投げて以降、ほとんどカーブを投げていなかった。2月に取材した時に「その日の調子に合わせて組み合わせてやっていく必要があるので、そこは満遍なくというか、全球種高めていきたい」と話していたが、16日の登板に関してはカーブが必要ではないと判断してあまり投げなかったのだろうかーー。
「そうっすね、必要ではあるんですけど、風でカットボールで空振りが取れていた。あまり長いイニングを投げる予定ではなかったので、どんどんいい球を投げていくスタイルでというところですね」。
カーブだけでなく、昨季途中、先発転向後に投げていたスプリットに関しては、シーズンが始まってからほとんど投げていない。「あんまり投げていないです。16日もゼロでしたね」と明かした。
カットボール、チェンジアップが良いからスプリットの投球の割合が減っているのだろうかーー。
「そうですね、16日の登板はそうですね。もともと6回を投げる予定じゃないというか、3回か4回で入っていたので、風もあってカットボールの感覚が良かったので、投げるタイミングがなかった感じですね」。
先発転向後に、再び投げるようになったスライダーの位置付けも気になる。16日の西武戦でも数球スライダーを投げていた。「カットボールとカーブの中間の球。球速が欲しいなと思って投げているので、そんな感じです」。
16日の西武戦では投げていないように見えたが、3月30日の日本ハム二軍戦では、上川畑に2ボール2ストライクから投じた7球目に134キロの縦気味に落ちるスライダーを投げていた。縦気味のスライダーに関しては「まだ発展途上中の球なので、これから精度を高めていく感じです」と、今後実戦で使っていきたいと考えている球種のひとつのようだ。
そして、唐川の投球で気になることでいえば、ファームの登板を見ていると4月5日の西武二軍戦は、15アウト中9アウトを内野ゴロに打ち取るとなど、ファームでの今季通算奪三振数は2つと打たせて取る投球が目立ったが、一転して4月16日の西武戦では7奪三振、ゴロアウトも僅かに3つだった。
ゴロアウトを多く奪う投手、それとも空振りを奪ってアウトを取っていく投手、どういうピッチングを目指しているのだろうかーー。
「ゴロアウトを取りたいと思っていないですね。カットボールのホップ成分をあげたいので、ポップフライのアウトの方が僕的には嬉しい。16日みたいな投球が理想は理想です」。
登板翌日の17日も一軍の試合前練習に参加していたが、同日に一軍登録を抹消となった。「しっかり言われた試合で自分の納得のいく状態で入っていくことが大事。その積み重ねかなと思っています」。今季初登板でインパクトのある投球を見せた。次回先発のチャンスがあった時に、白星を手にしたい。
取材・文=岩下雄太
ロッテ・唐川侑己は今季初登板となった4月16日の西武戦、5回までパーフェクトに抑えるなど、2年ぶりの白星はお預けとなったが、6回・67球を投げ、1安打、7奪三振、0与四球、無失点の好投を見せた。
「ストレートは投げていなくて、カットボールだけでした。全部カットです」。
風速10メートル以上の風が吹く中、カットボールが冴え渡った。初回先頭の金子侑司を1ボール2ストライクからカットボールで空振り三振に斬って取ると、2回も先頭のアギラーを2ボール2ストライクから浮き上がってくる146キロのカットボールで空振り三振、この日初めて走者を背負った1-0の6回二死二塁で金子を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた球種も144キロのカットボールだった。
「風があったので、それでカットボールの成分が高かったので、それによってフライ、空振りが多かったのかなと思いますね」。
カットボールと共に、左打者へのチェンジアップも良い抜けだった。特に0-0の2回一死走者なしで栗山巧に対し、初球134キロのチェンジアップで見逃し、続く2球目も134キロのチェンジアップで空振り、3球目の144キロのカットボールをファウルにさせ、4球目の134キロ外角に逃げるチェンジアップで空振り三振。栗山を空振り三振に仕留めたチェンジアップは素晴らしかった。
「バッターが僕のイメージはカットに入ってくると思うので、そこでチェンジアップをしっかり投げられたら有効かなと思うので、それがたまたまいい球がいった感じかなと思います」。
16日の投球では初回、金子侑司の2球目にカーブを投げて以降、ほとんどカーブを投げていなかった。2月に取材した時に「その日の調子に合わせて組み合わせてやっていく必要があるので、そこは満遍なくというか、全球種高めていきたい」と話していたが、16日の登板に関してはカーブが必要ではないと判断してあまり投げなかったのだろうかーー。
「そうっすね、必要ではあるんですけど、風でカットボールで空振りが取れていた。あまり長いイニングを投げる予定ではなかったので、どんどんいい球を投げていくスタイルでというところですね」。
カーブだけでなく、昨季途中、先発転向後に投げていたスプリットに関しては、シーズンが始まってからほとんど投げていない。「あんまり投げていないです。16日もゼロでしたね」と明かした。
カットボール、チェンジアップが良いからスプリットの投球の割合が減っているのだろうかーー。
「そうですね、16日の登板はそうですね。もともと6回を投げる予定じゃないというか、3回か4回で入っていたので、風もあってカットボールの感覚が良かったので、投げるタイミングがなかった感じですね」。
先発転向後に、再び投げるようになったスライダーの位置付けも気になる。16日の西武戦でも数球スライダーを投げていた。「カットボールとカーブの中間の球。球速が欲しいなと思って投げているので、そんな感じです」。
16日の西武戦では投げていないように見えたが、3月30日の日本ハム二軍戦では、上川畑に2ボール2ストライクから投じた7球目に134キロの縦気味に落ちるスライダーを投げていた。縦気味のスライダーに関しては「まだ発展途上中の球なので、これから精度を高めていく感じです」と、今後実戦で使っていきたいと考えている球種のひとつのようだ。
目指す投球像
そして、唐川の投球で気になることでいえば、ファームの登板を見ていると4月5日の西武二軍戦は、15アウト中9アウトを内野ゴロに打ち取るとなど、ファームでの今季通算奪三振数は2つと打たせて取る投球が目立ったが、一転して4月16日の西武戦では7奪三振、ゴロアウトも僅かに3つだった。
ゴロアウトを多く奪う投手、それとも空振りを奪ってアウトを取っていく投手、どういうピッチングを目指しているのだろうかーー。
「ゴロアウトを取りたいと思っていないですね。カットボールのホップ成分をあげたいので、ポップフライのアウトの方が僕的には嬉しい。16日みたいな投球が理想は理想です」。
登板翌日の17日も一軍の試合前練習に参加していたが、同日に一軍登録を抹消となった。「しっかり言われた試合で自分の納得のいく状態で入っていくことが大事。その積み重ねかなと思っています」。今季初登板でインパクトのある投球を見せた。次回先発のチャンスがあった時に、白星を手にしたい。
取材・文=岩下雄太