「(ストレートは)いい感じです」。
ロッテの種市篤暉は5月に入ってから再び春先に投げていたようなワクワクするストレートが戻ってきた。
前回登板の6月5日の巨人戦では150キロ超えが今季最多の40球で、3-0の5回二死二塁で丸佳浩を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたインコース151キロストレート、3-0の6回無死一、二塁で岡本和真を3ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めたインコース151キロストレート、3-0の6回二死一、三塁で立岡宗一郎を2ストライクから空振り三振に仕留めたインコース152キロストレートは素晴らしかった。
5月以降ストレートが良くなった理由について訊くと、「立ち方。バッターで例えると、構えを見直した感じです」と教えてくれた。
立ち方で言えば、5月29日のヤクルト戦(神宮)では左足を上げた時にピタッと止まっている時間が長かったが、種市によると「(5月22日に完封勝利した)ベルーナ(で投げた時)の方が意識していましたね」とのこと。
さらに前回登板の巨人戦では、左手のグローブの使い方がいつもと違うように見えた。そこについて種市は「東京ドームの時は力みすぎていたなという感覚があります。どちらかと言ったらベルーナとか神宮とかの方が良かったのかなと思います」と明かした。
種市がよく口にする“修正力”。試合中の修正力が上がったから神宮、東京ドームでもゲームメイクできたのだろうかーー。
「そうですね。交流戦なので投げたことのないマウンドもそうですし、できるだけ早くアジャストしなきゃいけない中で、東京ドーム、神宮もそうですけど、初回全然良くなかった中、ある程度はよくできていたのは良かったと思います。神宮は打たれましたけど、でも個人的には3回、4回のボールは良かったと思います」。
イニング間のキャッチボールで過去にフォークの握りを変え、その後フォークで奪三振を量産するなど、修正する時間に充てているが、イニング間のキャッチボールで修正する上でチェックポイントはどういった部分なのだろうかーー。
「今回はマウンドに合わせるのが一番かなと思っていたので、イメージ的に東京ドームも神宮もそうですけど、景色がすごい違うので、すごい(ボールが)上ずる感覚があった。その中でちょっと若干グローブを下げたという感じはあります」。
普段はあまり投げないセ・リーグの球場でもフォーク、スライダーともに非常によかった。特にヤクルト戦では、0-1の4回一死走者なしでオスナを0ボール2ストライクから4球目インコース143キロシンカー系フォークで空振り三振がよかった。本人にそれを伝えると、「あれを毎回投げたいですね、本来は。あれこそシームシフト系のボールだと思いますね」と口にした。
スライダー系のフォークについては「サンタナもスライダーさせようと思って投げていたので、それでも空振りが取れていたので、スライダーでも良いかなと思っています」と語った。
そして、縦スライダーも良い。前回登板では3-0の4回二死走者なしで立岡に2ストライクから投じた3球目の137キロ縦スライダーで空振り三振は非常によかった。
種市は「立岡さんも良かったですし、岡本さんも良かったですね。データを見ても縦変化している数値をしていたので、あれを毎回2ストライク後に投げられたらいいなと思っています」と手応えを掴む。
5月は月間MVPを逃したが、5月以降は5試合・38イニングを投げて、3勝0敗、38奪三振、防御率0.71と、毎回ワクワクする投球をしている。「感覚的にはすごく良いので、調子に乗らないように。調子に乗って体を振って力を入れて投げたらどんどん(シーズン)序盤見たいなピッチングになってしまう。できるだけいい時の状態に技術、体も戻してという感じでやっています」と気を引き締めた。
「11連勝しましたけど、チーム的には苦しい状況。中継ぎに負担をかけないようにできるだけ長いイニングを投げて勝てるように頑張りたい」。ストレート、フォーク、スライダーを高いレベルで投げる背番号16は、本拠地・ZOZOマリンスタジアムのマウンドで圧倒的な投球を披露してくれるはずだ。
取材・文=岩下雄太
ロッテの種市篤暉は5月に入ってから再び春先に投げていたようなワクワクするストレートが戻ってきた。
前回登板の6月5日の巨人戦では150キロ超えが今季最多の40球で、3-0の5回二死二塁で丸佳浩を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めたインコース151キロストレート、3-0の6回無死一、二塁で岡本和真を3ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めたインコース151キロストレート、3-0の6回二死一、三塁で立岡宗一郎を2ストライクから空振り三振に仕留めたインコース152キロストレートは素晴らしかった。
5月以降ストレートが良くなった理由について訊くと、「立ち方。バッターで例えると、構えを見直した感じです」と教えてくれた。
立ち方で言えば、5月29日のヤクルト戦(神宮)では左足を上げた時にピタッと止まっている時間が長かったが、種市によると「(5月22日に完封勝利した)ベルーナ(で投げた時)の方が意識していましたね」とのこと。
さらに前回登板の巨人戦では、左手のグローブの使い方がいつもと違うように見えた。そこについて種市は「東京ドームの時は力みすぎていたなという感覚があります。どちらかと言ったらベルーナとか神宮とかの方が良かったのかなと思います」と明かした。
種市がよく口にする“修正力”。試合中の修正力が上がったから神宮、東京ドームでもゲームメイクできたのだろうかーー。
「そうですね。交流戦なので投げたことのないマウンドもそうですし、できるだけ早くアジャストしなきゃいけない中で、東京ドーム、神宮もそうですけど、初回全然良くなかった中、ある程度はよくできていたのは良かったと思います。神宮は打たれましたけど、でも個人的には3回、4回のボールは良かったと思います」。
イニング間のキャッチボールで過去にフォークの握りを変え、その後フォークで奪三振を量産するなど、修正する時間に充てているが、イニング間のキャッチボールで修正する上でチェックポイントはどういった部分なのだろうかーー。
「今回はマウンドに合わせるのが一番かなと思っていたので、イメージ的に東京ドームも神宮もそうですけど、景色がすごい違うので、すごい(ボールが)上ずる感覚があった。その中でちょっと若干グローブを下げたという感じはあります」。
普段はあまり投げないセ・リーグの球場でもフォーク、スライダーともに非常によかった。特にヤクルト戦では、0-1の4回一死走者なしでオスナを0ボール2ストライクから4球目インコース143キロシンカー系フォークで空振り三振がよかった。本人にそれを伝えると、「あれを毎回投げたいですね、本来は。あれこそシームシフト系のボールだと思いますね」と口にした。
スライダー系のフォークについては「サンタナもスライダーさせようと思って投げていたので、それでも空振りが取れていたので、スライダーでも良いかなと思っています」と語った。
そして、縦スライダーも良い。前回登板では3-0の4回二死走者なしで立岡に2ストライクから投じた3球目の137キロ縦スライダーで空振り三振は非常によかった。
種市は「立岡さんも良かったですし、岡本さんも良かったですね。データを見ても縦変化している数値をしていたので、あれを毎回2ストライク後に投げられたらいいなと思っています」と手応えを掴む。
5月は月間MVPを逃したが、5月以降は5試合・38イニングを投げて、3勝0敗、38奪三振、防御率0.71と、毎回ワクワクする投球をしている。「感覚的にはすごく良いので、調子に乗らないように。調子に乗って体を振って力を入れて投げたらどんどん(シーズン)序盤見たいなピッチングになってしまう。できるだけいい時の状態に技術、体も戻してという感じでやっています」と気を引き締めた。
「11連勝しましたけど、チーム的には苦しい状況。中継ぎに負担をかけないようにできるだけ長いイニングを投げて勝てるように頑張りたい」。ストレート、フォーク、スライダーを高いレベルで投げる背番号16は、本拠地・ZOZOマリンスタジアムのマウンドで圧倒的な投球を披露してくれるはずだ。
取材・文=岩下雄太