技巧派への鮮やかな転身に解説陣も称賛
広島は22日、敵地での中日戦に3-1で勝利。先発の大瀬良大地は交流戦から続いていた連続無失点イニングを「29」にまで伸ばす力投で、今季負けなしの4勝目を挙げた。
交流戦から絶好調を維持する大瀬良は、この日も初回からテンポの良い投球で相手打線を翻弄していく。先制してもらった直後の4回には四球と死球で一死一・二塁のピンチを招くも、中田翔を二飛、アレックス・ディッカーソンを遊ゴロに打ち取り無失点を継続。結局これ以降は得点圏に走者を進ませず、7回110球無失点、3安打・5三振・1四球・1死球の内容でマウンドを後にした。
その後は島内颯太郎、栗林良吏の継投で中日打線を抑えて勝利を挙げた広島だが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では4勝目を挙げたエースの投球に熱視線が注がれた。
最多勝を獲得したかつての力で押すスタイルから技巧派にフォルムチェンジした右腕について、スタジオに出演した大矢明彦氏は「いつでもカットボールで左バッターのインサイド、アウトコースからストライクを取れるのが彼のピッチングを楽にしている」と語り、多彩な変化球を操る姿に「もうコントロール抜群ですよ」と手放しで称賛した。
また大矢氏はこの試合のターニングポイントとして細川成也との対戦を挙げた。中日打線の主砲から2三振を奪うなど仕事をさせなかった点の要因としては「すごく用心しながら投げていると思いました」と語り、経験と制球力を活かして緻密な投球が勝負を分けたと解説。
これには同じく出演した館山昌平氏も「曲がり球がたくさんあるんですけど、色んなボールを強弱を付けながら投げていますよね。ただ真っすぐと変化球だけではなく、同じ系統の変化球を投げて、奥行きを使いながらいいピッチングをしていましたね」と語り、女房役・會澤翼との息の合った投球だったと称えた。
ここ数年は黒星が先行していた大瀬良だが、今季は4勝負けなしのほか、防御率は驚異の0.87(セ・リーグ1位)という数字を残している。現在セ・リーグ首位の中で、33歳のベテランが中心にいる事は間違いないだろう。18年以来のリーグ制覇へ、円熟味を増した大瀬良の投球に今後も注目していきたい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』