5月以降は二軍で24回1/3を投げ33奪三振
ロッテの田中晴也は5月以降ファームで奪三振を量産している。
4月終了時点で20回1/3を投げ12奪三振で、5月2日に取材した時には「(奪三振は)満足いく数字ではないですし、もう少し増やしたい気持ちはある。今はスライダーとフォークを日々試行錯誤して練習しているので、その2つをより良くしていければ、三振の取りたい場面で取れるようになっていくと思うので、そうしていければ奪三振率は上がってくるかなと思います」と話していたが、5月は11回を投げイニングを上回る17奪三振、6月もここまで13回1/3を投げ、16奪三振を記録する。
5月21日の日本ハム二軍戦は5回・75球を投げ、10奪三振、6月11日のDeNA二軍戦は8回・103球を投げ、11奪三振と2桁奪三振をマークした。
5月以降にファームで奪三振が増えている要因について田中は「真っ直ぐのコントロールと、投げに行く、決め切りたい時にしっかりいいボールが入っています。あとは若いカウントからスライダー、フォークでカウントを取り、そして空振りが取れているところが、真っ直ぐで三振も取れるようになったと思います。的を絞らせないじゃないですけど、相手にいろんな状況を考えさせるピッチングができているのかなと思います」と説明した。
スライダーでの三振も増えているが、そこについて田中は「全体的にフォークの(奪三振)率が上がってきたので、それがスライダーにも影響が出ているのかなと思います」と分析した。
▼田中晴也の月別ファーム成績
3・4月:4試 0勝1敗 20回1/3 振12 四死8 防3.10
5月:2試 1勝0敗 11回 振17 四死3 防2.45
6月:2試 0勝1敗 13回1/3 振16 四死4 防3.22
一軍初登板
チームが引き分けを挟んで10連勝中だった6月1日の阪神戦(ZOZOマリンスタジアム)で、一軍プロ初登板・初先発を果たした。5回・84球を投げ、2被安打、6奪三振、1与四球、無失点もプロ初勝利とはならなかったが、今後に期待の持てる投球内容だった。
「すごい自信に変わりましたし、自分のピッチングが通用するということがわかったので、それをコンスタントにこれから続けられるようなトレーニングをやっていけたらいいかなと思います」。
特に0-0の初回二死走者なしから糸原健斗に四球、近本光司にライト前に運ばれ、一、二塁とピンチを招いたが前川右京をスライダーで空振り三振に仕留め、ゼロで切り抜けたのが大きかった。本人も「四球とかでもったいない出塁だったので、そこは反省しつつですけど、ピンチの場面でフォークを投げきれたのは自信につながりました」と振り返った。
この日の登板では初回23球中15球がストレートで、ファームでも5月21日の日本ハム二軍戦では初回12球中9球がストレートと、立ち上がりストレートの割合が多い。
「行けるところまでストレートで行くのが自分のピッチングスタイル。しっかりストレートで押さないことには、自分のピッチングスタイルを出していけない。ストレートは、わかっていてもファウルをとれるくらいの気持ちで投げています」。
プロ初登板を経て、その後は2試合ファームで先発している。「中9日とかで投げさせてもらっていますけど、間隔を短くするためのリカバリーを見つけることと、あとは中6日の中で二軍では100球近い球数をコンスタントに投げて、より長いイニングを投げる練習ができたらいいかなと思います」。
その中で、6月11日のDeNA二軍戦ではプロ入り後、自己最長の8イニング、最多の103球を投げた。「後半ストレートが落ちるので、初めて投げたのもありますけど、しっかり経験を積んで投げ終わりまでしっかり球の差が出ないピッチングを目指さないといけないなと思います」と課題点を挙げながらも、前を向いた。
ファームでは奪三振も増え、イニング数、球数も順調に増やしている。先発の台所事情を考えれば、もう1度、一軍で投げるチャンスは巡ってくるはず。その時に向けて、しっかりと準備をしていきたい。
取材・文=岩下雄太