力強いストレート
ロッテの鈴木昭汰は開幕から27試合連続自責点0に抑えるなど、ここまで30試合・28回1/3を投げ、1勝1敗14ホールド3セーブ、防御率0.64と抜群の安定感を見せ、7月23日と24日に開催される『マイナビオールスターゲーム2024』にも監督選抜での出場を決めた。
ブルペンに欠かせない存在となった鈴木は昨年ストレートの強さとインコースをテーマに投げ、自主トレは日本通算236セーブをマークする松井裕樹と行い野球に対する考え方、栄養面などを学び、“継続”して取り組んできたことが“結果”に結びついている。
特に開幕から力強いストレートを投げ込み、直近でも7月3日の日本ハム戦、9-6の8回一死走者なしで上川畑に1ストライクから投じた2球目の外角149キロ見逃しストレートが良かった。
ストレートに関しては「悪くはないと思います」と話し、ストレートの制球についても「交流戦よりかはいいかなと思います」とのことだ。ストレートが安定してストライクが取れることで、マウンド上での安心感に繋がっているのだろうかーー。
「真っ直ぐ良かったなというのはマウンドで思ったりしていなくて、必死に投げているだけです。なので、投げている途中に今日真っ直ぐいいなというのはないかもしれないですね」。
また、同日の日本ハム戦は今季初自責点、初黒星を喫した6月29日のオリックス戦以来の登板。「引きずってもしょうがないので、次同じことをしないようにという気持ちが良かったのかなと思います」と1回を無失点に抑えた。
鈴木は7月5日の西武戦でも1回を無失点に抑え現在2試合連続で無失点中だ。
左打者を封じる
鈴木は4月終了時点で右打者の被打率.130(23-3)に対し、左打者の被打率が.286(21-6)と左打者にやや打たれていた。
しかし、5月以降は左打者の被打率.118(34-4)とほぼ完璧に抑え込んでいる。5月25日のソフトバンク戦で周東佑京を二併に仕留めてから6月29日のオリックス戦で森友哉に安打を打たれるまで、左打者に対して19打数連続無安打に抑えた。
左打者を抑えられている要因について訊くと鈴木は「対左の方が悪いので、そこは意識しています。特に何かを変えたと言われたらわからないですけど、何ていうんですかね、スライダー、真っ直ぐの精度が左の制球を見直してやっていました」と教えてくれた。
5月21日の西武戦、蛭間拓哉に2ボール2ストライクからインコースの144キロストレートで見逃し三振に仕留めたのを境に左打者を封じ込んでいるように見える。
「言われたらという感じですけど、四球を結構出しているのでそこはダメかなと思います。ただ、被打率が下がっているのはいいことかなと思います」。
12日からは好調のオリックス、首位・ソフトバンクの6連戦が始まる。今後を占う意味でもチームにとってはオールスター前、大事な戦いとなりそうだ。「やることは変わらずしっかり1試合1試合自分のできることを精一杯やりたいと思います」。チームの勝利のため、鈴木は腕を振り続ける。
▼月別の左打者被打率
3・4月:.286(21-6)
5月:.150(20-3)
6月:.083(12-1)
7月:.000(2-0)
取材・文=岩下雄太
※月別の被打率の月が4月:.150、5月:.083、6月:.000となっておりましたが、正しくは5月:.150、6月:.083、7月:.000でした