昨季から成長した部分
ロッテの菊地吏玖は8月3日に再昇格を果たしてから4試合・5イニングを投げ、4奪三振、5被安打、2与四球、無失点に抑えている。
プロ1年目だった昨年のこの時期は、8月11日の西武戦(ZOZOマリン)でプロ初先発を果たすも、4回、7被安打、4失点でプロ初黒星を喫し、結局この1試合の登板にとどまった。
冒頭でも述べたように今季は再昇格後、無失点投球を継続している。この1年で成長した部分は、どんなところにあるのだろうかーー。
「去年は1年目で一杯一杯になっていた部分もありますし、逆に今年はちょっと余裕も出てきて、(1年目は)完璧を求めすぎていた部分があった、ある種の割り切りは中継ぎのピッチャーは大事。そういうところが心の余裕にもつながっているので、その辺かなと思います」。
勝ち試合での登板を経験
今季は5月4日一軍昇格し4試合に登板して、6月1月に一軍登録抹消となった。ファームだった7月18日の取材で「5月31日のように痺れる場面で任せてもらえるピッチャーになっていかないといけない」と話し、一軍再昇格後の8月6日の取材で痺れる場面で投げるために「1個1個の試合で結果を残して、それの積み重ねでしか、そういうところの信頼はないと思うので、1個1個やっていくだけかなと思います」と話していた中で、8月7日のソフトバンク戦ではプロ入り後初めて勝ち試合の4-2の7回に登板。
先頭の近藤健介にレフト前に運ばれたが、続く正木智也を二飛、柳町達を「あのボールはすごい思った通りにいい軌道で投げられたと思います」と、128キロのフォークで空振り三振。甲斐拓也を右飛に打ち取り、1回を無失点に抑え、プロ初ホールドをマークした。
「相手が首位で優勝に向けて負けられないところで登板させていただいて、すごいありがたいと思いますし、C.C.が前半粘って粘ってなんとか勝ったまま中継ぎに繋いでくれた。それも崩さないようにできたのは良かったと思います」と振り返った。
その後の8月14日の日本ハム戦、15日の日本ハム戦はいずれもビハインドでの場面でのマウンドとなったが、もちろんこの先も、チャンスがあれば勝ち試合で投げたいという思いを持っている。
「そういう場面でもちろんいけたらいいかなと思いますけど、中継ぎ陣いいピッチャーがたくさんいるので、どんなところでも準備していけたらいいなと思います」。
今後、勝ち試合で登板する機会があった時には「そういう場面でいくということはチームの勝ち、先発ピッチャーの勝ちがかかっているところでの登板なので、それをしっかり後ろに繋ぐ、チームのために投げることができたらなと思います」と決意を述べた。
チームは負けられない戦いが続く中で、菊地自身も一軍定着に向け、とにかくゼロで抑えることが求められる。「行けと言われればマウンドに行って、しっかりゼロで抑えて帰ってこれればいいなと思います」。与えられた役割を果たし、一軍で自分の居場所を掴みたい。
取材・文=岩下雄太