球団タイ記録となる21試合連続無失点
「言われるまで知りませんでした(笑)、そんなことは気にせずまた次の登板でしっかり抑えられるようコンディションを整えたいと思います」。
ロッテの国吉佑樹が8月31日のソフトバンクにリリーフ登板し、1回を無失点に抑え、球団タイ記録となる21試合連続無失点を記録した。
1-4の8回に登板した国吉は、先頭の正木智也を2球で追い込み、142キロのインコースフォークで3球三振に仕留めると、石塚綜一郎、甲斐拓也を連続で中飛に打ち取り、1イニングを危なげなく3人で片方づけた。
小野コーチの国吉評
今季の国吉は「球数をかさむんだったら、そんなに四隅をついて投げるタイプではないですし、欲を言えば3球で3アウトをとって交代するのが一番良いと思っています。どんどんバッターにも打ってきてもらえたらいいかなと思って投げています。強引に三振を取りに行くというよりはどんどん打たせてアウトを1個ずつとっていく方向で今はやっています」と、三振でアウトを奪っていくスタイルからストライク先行で打たせて取る投球にスタイルチェンジ。
小野晋吾投手コーチは、打たせて取る国吉の投球スタイルについて「もともとボール先行することも多かったんですけど、自分でしっかり自己分析をして、今年はゾーンの中で勝負ができている」と分析する。
国吉は「球数が多いと次の日の登板に影響したり、そもそも投げさせてもらえなかったりする。球数少なければ多く投げられるチャンスが増えるというか、メリットでしかない」と話していたが、登板数に関して小野コーチは「色々バランスを見ながら、登板してくれているんですけど、どんな場面でも自分の投球をしてくれている。(鈴木)昭汰と国吉は開幕からずっと良い投球をしてくれている」と評価した。
小野コーチは「いい働きをしてくれる。20試合連続無失点(取材当時)というのはすごい。とにかく自分の仕事をどんな場面でやってくれている。非常に助かっています。このまま最後まで今の投球を続けてほしいなと思います」と、期待を寄せた。
国吉はビハインドゲームを中心に時には勝ち試合の場面でも登板するなど、さまざまな局面でマウンドに上がる。勝ち試合の投手と違いいつマウンドに上がるかわからない中でも、スコアボードに0を並べ続けていることに価値がある。「そういう役割とか準備の仕方は慣れています。慣れたから今日はいいやとやるんじゃなくて、1日1日同じ準備をして、どこで投げるか分からないですけど、そこに備えるというのは徹底して貫こうと思います」と、継続して準備をしてきた結果が今の連続無失点に繋がっている。
取材・文=岩下雄太