ニュース 2024.09.12. 10:01

ロッテ・菊地吏玖、再昇格後は12登板で失点はわずかに1 小野コーチ「チャンスを掴んで、しっかりモノにしつつある」

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ロッテ・菊地吏玖 (C) Kyodo News

プロ初セーブ


 ロッテの菊地吏玖が11日のオリックス戦、3イニングを無失点に抑えプロ初セーブを記録した。

 菊地は12-3の7回に登板し、1イニング目の7回はわずか7球で三者凡退に抑えると、2イニング目となった8回は二死走者なしから杉本裕太郎にレフト前に運ばれたが、セデーニョを145キロのストレートで空振り三振。3イニング目となった9回は先頭の頓宮裕真に死球を与えたが、続く紅林弘太郎を二併。最後は代打・来田涼斗を126キロのフォークで空振り三振に打ち取り、試合を締めた。

安定した投球


 菊地は8月3日に再昇格後、12試合・15回1/3を投げ、イニングを上回る17奪三振、1失点と安定した投球を披露する。

 「場面が場面というのもありますけど、最近は僅差の負けている場面でも行かせてもらっていますし、そういう場面で投げさせてもらえるようになってきたというのは僕としてもちょっとずつではあると思うんですけど、信用を得られているのかなというのもあります」。

 「上がってきてから何試合か続けて点数を与えずにランナー出ても粘って抑える試合、簡単に3人で終われた試合もありましたし、そういった試合を作れているのは前回上がった時はそんなことがなかったので、その辺は成長しているかなと思います」。

 ファームでは“3球以内で追い込んで、そこからきっちり1球で仕留めること”、“三振をしっかり奪うこと”を頭に入れて取り組んできたが、再昇格後の投球を見ると、1イニングを15球以内で終える登板が多く、8月20日と22日の日本ハム戦は1イニングをわずか8球で終えた。

 「四球は(8月14日の)日ハム戦とかくらいしか自分で出したところはそんなにないのかなと。そのあたりが球数を多く使わないことにつながっているかなと思います。ボールが続いても落ち着いて投げられているのがいいのかなと思います」。

 少ない球数で抑えていることに加え、三振も増えている。再昇格後の奪三振率は9.98、シーズンの奪三振率は10.35を記録する。

 「決め球を1球で決め切る。決め球の質が良くないといいバッター、一軍のバッターはみんな振ってくれなかったりファウルになったりしてしまう。その中で三振をしっかり取れるようになったのは確実に成長しているところなのかなと思います」。

 フォークで空振りを奪える時もあるが、フォークを見極められボールになることもある。

 「おそらく見送られる時というのはその前に投げた真っ直ぐが効いてなかったりとか、ストレートと同じ軌道でフォークを投げられていないから見送られることが多いと思います。空振りが取れている時というのは真っ直ぐの軌道から入ってスッと落ちてくれている時だと思うので、その確率もだいぶ上がってきたかなと思います。一歩ずつではありますけど、良くなっているのかなと思います」。フォークで空振りが奪えていない時の理由もしっかり自分の中で自己分析ができている。

 「映像を振り返って、ここのボールがちょっと不用意だったなとか、フォークの落ちが甘かったなとか、だったら次の日フォークの落ち具合を確認したりとか、基本的にたくさん1試合では多く投げるわけではないので、全部フェンス際のあたりを打たれようが抑えればOKなポジションではある。あまり固執しすぎないというか、割り切る重要性も中継ぎをやってから身についたかなと思うので。そこは気にしすぎないように、でも振り返りは怠らないようにはしています」。

 そういった考え方は一軍にいる先輩方に教わったのだろうかーー。

 「主に先輩だったりコーチに言われてそういう考えになっていきました。元々は完璧に抑えられないと嫌でした。ファームの時は大谷コーチをはじめ、大隣さん、松永さんもそうですけど、中継ぎはランナー3人だそうが0で抑えて帰ってくればいいねとか、グダグダになっても結果0でOKだからという声掛けもたくさんしてもらいました。だんだん自分の中で割り切れるようになっていたきっかけかなと思います」。

 与えられた登板機会で結果を残し、首脳陣の信頼も上がっている。小野晋吾投手コーチは「菊地は特にチャンスを掴んで、しっかりモノにしつつある。まだまだ経験している段階ですけど、その中で自分のモノを出してくれている。考え方としてもゲームに入っていけるというものが見えている。今は頼りにしていますね」と評価する。

 菊地は「チャンスをもらった、もらっていないとかではなくて、とにかくいけと言われたところで、しっかりと仕事をするというところを継続していければ、自ずとチームのためになると思いますし、結果自分のためにもなる。そこだけ考えてやっていきたいと思います」と意気込む。日に日に存在感を高める2年目の右腕。残り試合、チームの勝利のため必死に腕を振っていく。

取材・文=岩下雄太

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