桑原は中越えの長打で二塁から生還できず…

　3位のDeNAは4点リードを守れず、阪神に6－7で逆転負け。2位の可能性が完全消滅し、中日に敗れた4位・広島とのゲーム差は1.5のままとなった。

　DeNA打線は初回、1番・梶原昂希が一塁線突破の二塁打を放つと、2番・桑原将志は1球で犠打を決め一死三塁。3番・佐野恵太は2球目を中前へ弾き返し、わずか7球で阪神先発・才木浩人から先制点を奪った。

　3回は9番・東克樹の右前打から一死一、二塁の好機を作り、再び佐野が左翼線へ弾き返す適時打を放ち2点目。しかし、この打球で二塁を狙った佐野が挟殺プレーの末に憤死し、一気に大量点とはならなかった。

　2－2の同点で迎えた6回は先頭・桑原の中前打、続く佐野の三塁強襲の内野安打で無死一、二塁とし、4番・牧秀悟はワンバウンドで中堅フェンスに当たる長打を放った。しかし、中堅・近本光司のフェイクプレーに惑わされた二走・桑原は三塁ストップ。先頭から3連打を記録するもワンベースずつしか進めず、無死満塁となった。

　それでも、続く5番・宮﨑敏郎が右中間突破の2点適時二塁打を放ち4－2と勝ち越しに成功。なおも一死二、三塁で、7番・伊藤光がスクイズを仕掛けると、才木の投球が暴投となり三走・牧が労せず5点目のホームを踏んだ。7回は二死一、三塁で牧が中前適時打を放ち6点目。この日は上位打線がつながり、リードを4点に広げた。

　先発の東は5回75球、5安打2失点、6奪三振1四球の内容で降板。今季14勝目の権利を持ってリリーフ陣に後を託したが、4点リードの7回にリリーフ陣が野手の失策絡みで一気に5点を失い、東の2年連続となる最多勝のタイトル獲得は絶望的となった。

　29日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』でこの試合の解説を務めた大矢明彦氏は、3回に2打席連続となる適時打を打ちながら、一・二塁間で挟まれ走塁死となった佐野について「1アウトだったので、これはちょっと暴走でしたね。もっと大きなチャンスにしていかなければいけなかった」と苦言。

　さらに6回、牧の中堅手の頭上を越える打球で三塁ストップとなった二走・桑原の走塁についても「近本が一度振り返ったので、捕るじゃないかと思って（タッチアップに備え）ベースタッチというのが頭にあったと思う」と問題視した。

　結果的に攻撃陣は6点を奪い、リリーフ陣が逃げ切りに失敗するゲームとなったが、序盤でワンサイドゲームに持ち込めた可能性もあっただけに痛かった序盤の走塁ミス。8連戦の初戦からショックが大きい敗戦となった。

　
☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』