ロッテは71勝66敗6分の3位で2年連続Aクラス入りを果たした。打線はリーグ2位のチーム打率.248、得点はリーグ3位の493得点、75本塁打も、得点圏で1本出なかった印象がかなり強い。
福浦和也ヘッド兼打撃コーチに好機に1本出なかった原因について訊くと、「ピッチャーの兼ね合い、得点圏になったら(相手投手の)攻めも急激に変わりますからね」と指摘。
「打ちにいくボールでボール球を打たされたり、そういう見極めもそうですし、良いあたりが正面に飛んじゃったりとか、犠牲フライ、ゴロを打てば1点入るところをフライを打ってしまったりとか。いろんな原因を突き詰めればたくさんあります。高めを打てばフライになりますし、低めを振ればゴロになりやすい。そういうところじゃないですかね」。
ロッテは屋外のZOZOマリンスタジアムを本拠地にする。ホームランラグーンを2019年から設置しているが、それでもなかなか本塁打が出にくい球場。左中間、右中間を破り、足を使った攻撃で得点することが理想的なのだろうかーー。
「基本的に変化球の曲がりも違いがあれば、風でピッチャーの真っ直ぐの回転数が変わる。真っ直ぐのシュート回転が強くなったり、真っ直ぐが垂れたり、変化球がドームだったら曲がらないところが、いつも以上に曲がったりとか、風というのもあります。風が吹く時もありますし、吹かない時もある難しさはピッチャーも難しいと思いますけど、バッターもそれを計算して打たないといけないので、いつもだったら当たるのにそれ以上に曲がったりとか、そういうところも難しさはマリンにはあるのでなかなか長打が出にくいです。そのかわりに、フライになればドームだったらアウトなのが、ヒットになる確率も風が強い時とかはありますよね」。
今季は5年目の佐藤都志也が石垣島春季キャンプから今季限りで退任した村田修一前打撃コーチから“前に突っ込まない意識づけ”、“イメージの仕方”を教わったことを1年間継続し、初の規定打席に到達して打率はリーグ4位の.278をマークすれば、4年目の小川龍成は規定打席に到達しなかったが逆方向にライナー性の打球を打つことを昨年の秋季練習から強く意識した結果、出場試合数、安打数など多くの部門でキャリアハイの成績を残した。藤原恭大も故障で出遅れたが、打率.290、2本塁打、21打点の成績を残し、2年ぶりに一軍出場した髙部瑛斗も7月度の月間MVPに輝くなど、シーズン最終盤に故障で離脱したものの、打率.300をマークした。若手、中堅も一軍で活躍した一方で、一軍に定着しきれない若手、中堅が多いのも事実。マリンスタジアムを本拠地にし、風の計算、風によって投手の変化球の変化を頭に入れてプレーしないといけないことも経験の少ない若手選手が一軍定着に至らない原因なのだろうかーー。
福浦コーチは少し考えた後、「う〜ん、まあでもどうなんですかね、難しい部分はドームに比べたら外の方が難しいというのもあるし、難しいですね、なかなか」と返ってきた。
ロッテ打線の課題といえば、2年連続で継続して活躍する選手が少ないこと。昨季打率.284をマークし、今季は友杉篤輝と共にショートのレギュラーとして期待された茶谷健太は今季の打率が.167、昨季規定打席に到達した安田と山口は、揃って規定打席に届かず、悔しい1年に終わった。
若手、中堅選手が“継続”して活躍するために必要なことについて福浦コーチは「自分のやってきたことを続けていける。継続してできるか、できないかじゃないですかね。“あれがダメでこうしてみよう”、“ああしてみよう”と、浮き沈みがあるとなかなか上手くいかないですからね。これっていうのを1つでも2つでも掴んで、それを貫き通してやれるか、やれないかだと思いますけどね」と自身の見解を述べた。
長打力という部分では長年外国人頼みになっているのも気になるところ。今季もポランコがチームトップの23本塁打、次いでソトが21本塁打を放ったが、日本人選手でチーム最多本塁打は岡大海の7本。近年、シーズン20本塁打以上放った球団の日本人選手は、今季現役を引退した井上晴哉が18年と19年に記録した24本だ。22年にチーム最多の16本塁打を放ち、井上の引退後、日本人の長距離砲として期待のかかる山口航輝は今季2本塁打に終わった。打撃コーチとして、日本人で長打を打てる選手が出てきてほしいという思いはあるのだろうかーー。
「ホームランを30発、40発打てる日本人がいたらいいですけど、なかなか難しいと思うので、二塁打、三塁打、ノーアウト二塁、ノーアウト二、三塁を作れれば得点につながると思う。強い打球で間を抜いていく。点を入る時は長打が必要ですよね」。
ロッテはチームビジョンとして“常勝軍団”になることを目標に掲げる中で、投手を中心にした守り勝つ野球で勝ち続けるのにも限界がある。来年は1人でも2人でも多く、若手、中堅がレギュラーを掴み、その上で今季存在感を示した選手たちが継続してバットで結果を残す。打線の上積みがなければ、常勝軍団も見えてこない。
取材・文=岩下雄太
福浦和也ヘッド兼打撃コーチに好機に1本出なかった原因について訊くと、「ピッチャーの兼ね合い、得点圏になったら(相手投手の)攻めも急激に変わりますからね」と指摘。
「打ちにいくボールでボール球を打たされたり、そういう見極めもそうですし、良いあたりが正面に飛んじゃったりとか、犠牲フライ、ゴロを打てば1点入るところをフライを打ってしまったりとか。いろんな原因を突き詰めればたくさんあります。高めを打てばフライになりますし、低めを振ればゴロになりやすい。そういうところじゃないですかね」。
ロッテは屋外のZOZOマリンスタジアムを本拠地にする。ホームランラグーンを2019年から設置しているが、それでもなかなか本塁打が出にくい球場。左中間、右中間を破り、足を使った攻撃で得点することが理想的なのだろうかーー。
「基本的に変化球の曲がりも違いがあれば、風でピッチャーの真っ直ぐの回転数が変わる。真っ直ぐのシュート回転が強くなったり、真っ直ぐが垂れたり、変化球がドームだったら曲がらないところが、いつも以上に曲がったりとか、風というのもあります。風が吹く時もありますし、吹かない時もある難しさはピッチャーも難しいと思いますけど、バッターもそれを計算して打たないといけないので、いつもだったら当たるのにそれ以上に曲がったりとか、そういうところも難しさはマリンにはあるのでなかなか長打が出にくいです。そのかわりに、フライになればドームだったらアウトなのが、ヒットになる確率も風が強い時とかはありますよね」。
今季は5年目の佐藤都志也が石垣島春季キャンプから今季限りで退任した村田修一前打撃コーチから“前に突っ込まない意識づけ”、“イメージの仕方”を教わったことを1年間継続し、初の規定打席に到達して打率はリーグ4位の.278をマークすれば、4年目の小川龍成は規定打席に到達しなかったが逆方向にライナー性の打球を打つことを昨年の秋季練習から強く意識した結果、出場試合数、安打数など多くの部門でキャリアハイの成績を残した。藤原恭大も故障で出遅れたが、打率.290、2本塁打、21打点の成績を残し、2年ぶりに一軍出場した髙部瑛斗も7月度の月間MVPに輝くなど、シーズン最終盤に故障で離脱したものの、打率.300をマークした。若手、中堅も一軍で活躍した一方で、一軍に定着しきれない若手、中堅が多いのも事実。マリンスタジアムを本拠地にし、風の計算、風によって投手の変化球の変化を頭に入れてプレーしないといけないことも経験の少ない若手選手が一軍定着に至らない原因なのだろうかーー。
福浦コーチは少し考えた後、「う〜ん、まあでもどうなんですかね、難しい部分はドームに比べたら外の方が難しいというのもあるし、難しいですね、なかなか」と返ってきた。
2年連続活躍するために必要なこと
ロッテ打線の課題といえば、2年連続で継続して活躍する選手が少ないこと。昨季打率.284をマークし、今季は友杉篤輝と共にショートのレギュラーとして期待された茶谷健太は今季の打率が.167、昨季規定打席に到達した安田と山口は、揃って規定打席に届かず、悔しい1年に終わった。
若手、中堅選手が“継続”して活躍するために必要なことについて福浦コーチは「自分のやってきたことを続けていける。継続してできるか、できないかじゃないですかね。“あれがダメでこうしてみよう”、“ああしてみよう”と、浮き沈みがあるとなかなか上手くいかないですからね。これっていうのを1つでも2つでも掴んで、それを貫き通してやれるか、やれないかだと思いますけどね」と自身の見解を述べた。
課題の長打力
長打力という部分では長年外国人頼みになっているのも気になるところ。今季もポランコがチームトップの23本塁打、次いでソトが21本塁打を放ったが、日本人選手でチーム最多本塁打は岡大海の7本。近年、シーズン20本塁打以上放った球団の日本人選手は、今季現役を引退した井上晴哉が18年と19年に記録した24本だ。22年にチーム最多の16本塁打を放ち、井上の引退後、日本人の長距離砲として期待のかかる山口航輝は今季2本塁打に終わった。打撃コーチとして、日本人で長打を打てる選手が出てきてほしいという思いはあるのだろうかーー。
「ホームランを30発、40発打てる日本人がいたらいいですけど、なかなか難しいと思うので、二塁打、三塁打、ノーアウト二塁、ノーアウト二、三塁を作れれば得点につながると思う。強い打球で間を抜いていく。点を入る時は長打が必要ですよね」。
ロッテはチームビジョンとして“常勝軍団”になることを目標に掲げる中で、投手を中心にした守り勝つ野球で勝ち続けるのにも限界がある。来年は1人でも2人でも多く、若手、中堅がレギュラーを掴み、その上で今季存在感を示した選手たちが継続してバットで結果を残す。打線の上積みがなければ、常勝軍団も見えてこない。
取材・文=岩下雄太