地元・千葉で野球ができる喜び
「地元千葉県で野球ができるのは中学校以来なので、まずは顔と名前を覚えてもらって、応援されるような選手になっていきたいと思います」。
ロッテのドラフト6位・立松由宇(日本生命)は、中学生の時以来地元の千葉で野球をする。
99年2月5日生まれで“98年世代”にあたり、ロッテでは種市篤暉、高野脩汰、鈴木昭汰、小川龍成、和田康士朗と同い年で、野球界では山本由伸(ドジャース)、今井達也(西武)、牧秀悟(DeNA)といった選手たちがひと足さきにプロの舞台で活躍している。
立松は藤代高、立正大、日本生命を経てのプロ入りだが、高卒で言えばプロ8年目、大卒だとプロ4年目、大卒社会人だとプロ2年目を終えた年齢だ。先にプロの舞台でプレーしていた選手をどう見ていたのだろうかーー。
「特に何も思っていないですね」。
それには理由があった。「プロ野球は大人になってからあまり観ていなかったので、自分が好きな野球をどの環境でも続けられれば、すごい幸せな人生だなと思っていました。今回、日本生命からロッテに変わりましたけど、地元千葉県で野球できるのがすごく嬉しいですし、昔から好きな球団だったので、最後こういうふうにロッテと縁があって野球ができるのはめちゃめちゃ嬉しい気持ちでいます」。
追い込まれてからはコンタクト
プレー面では力強いスイングで積極的に打っている印象を受けた。「自分は積極的に振っていくので、力強いスイングが持ち味ではありますね。スイングスピードも持ち味だと思っているので、確かに持ち味ですね」。
力強いスイングをしながらも、追い込まれてからはコンタクトしているように見えた。「すごいめちゃめちゃあります。バッティングの考え方を変えて、ミートに徹するバッティグに変えていますね」。
追い込まれてからコンタクトするようになったのは何故なのだろうかーー。
「自分に求められているのはホームランとかではなくて、ヒット、出塁率だと思っています。社会人時代も5番を打っていましたけど、繋ぐ方にフォーカスを置いてやっていたので、ホームランを捨てたというか、ヒットに重きを置いたバッティングに変えているという感じですね」。
そういった考えに至ったきっかけについて「キャッチャーやっていた時はホームランばかり狙っていて、ある程度ホームランは出たんですけど、社会人野球は一発勝負なので、自分の成績よりかいかに自己犠牲をしてトーナメントで勝ち上がっていくかだと思っています。繋ぐ方向に3年目、4年目、ファーストになってから考え始めましたね。軸を打ち始めてから、チームの勝利だけを考えて自己犠牲精神が生まれてきたと思います」と教えてくれた。
プロ1年目から即戦力として期待される。どういったところをアピールしていきたいのだろうかーー。
「アピールポイントは自分で言うのは難しいなと思っているんですけど、なんですかね。う〜ん」と少し考えた後、「結果にこだわってひたすらやっていきたいと思っているので、そこで評価してもらえたら、繋がってくるかなと思います」と続けた。
プロ1年目となる来季、「与えられたポジションをひたすら全うして、レギュラーまでいかないと思いますけど、一軍でずっといられるような選手になっていきたい」と掲げた。地元千葉県松戸市出身の立松は、これまで培った経験を武器にプロの舞台で勝負する。
▼ 立松由宇プロフィール
背番号:49
生年月日:1999年2月5日生
守備位置:捕手・内野手
身長 / 体重:177センチ / 82キロ
投 / 打:右 / 左
経歴:藤代高-立正大-日本生命-ロッテ(6位)
取材・文=岩下雄太