中村奨吾が語るセカンドのポジションのこだわり
「意識してやっています」。
ロッテの中村奨吾は3日、石垣島春季キャンプでの内野ノック中、サードのポジションでノックを待っている間、ノックを受ける選手たちに「リューセイ!」、「ガッキー!」と大きな声で盛り上げたり、これまではポーカーフェイスで黙々と練習している姿が印象的だったが、昨季まであまり見られなかった姿がこのキャンプで見られている。
石垣島組では若手の野手が多く、中村自身も石垣島キャンプの野手最年長だったりと、何か理由があってのことなのだろうかーー。
「そうですね、盛り上げて活気良くやっていきたいなと思ってやっています」。
全体練習後には第二球場で今季から2年ぶりに守るセカンドのポジションでノックを受けた。セカンドで3度のゴールデン・グラブ賞受賞と、高い守備には定評がある。セカンドの守備に対するこだわりについて訊くと、「ずっとセカンドをやらせてもらってきて、そこでいろんな気づき、いろんな経験をさせてもらいました。そこでまたもう1回勝負できるようにと思って、去年1年でセカンドがやりたいという思いが強くなりました。そういうことも含めて、監督にお願いして今やらせてもらっているところです」と教えてくれた。
小川は反対方向に強い打球を意識
昨季チーム最多の98試合にセカンドのポジションで出場し、この日はショート、セカンドのポジションで特守を受けた小川龍成は、「しっかりミスを少なくというか、エラーしてはいけない立場だと思っているので、エラーの数を減らして、そこはノックの時からエラーをしないところを第一にやっていきたいと思います」とミス減少を誓った。
打撃では昨季“三遊間に低いライナーで打てる感覚”を身に付け、キャリアハイの成績を残し、今季に向けては今までやってきたことにプラス“強い打球を打てるように”と昨秋の取材で話していた。一冬を越えて、「強さはある程度出てきているので、そこの確実性を高めていくところかなと思います」とのこと。
打撃練習では反対方向に角度のついた打球が増えている。「角度がついているのは自分の中ではミスショットなので、そこはちょっと修正するポイントかなと思います。強さを出すとどうしても角度がついちゃう時もあるので、その中で低いライナーで打てるようにというのが課題です」と話した。
「まずはキャンプで数を打って、低いライナーを打てる感覚を身につけて、試合でピッチャーと対戦した時にどうなるかというのをやっていきたいです」。
現役ドラフトで加入の石垣
現役ドラフトで加入した石垣雅海は、内野の全ポジションを守れるユーティリティプレーヤー。新天地でのキャンプに「怪我なく来れているので、そこは良かったのかなと思います」としながらも、「守備、バッティングだったり課題がある。自分の課題をしっかり1個1個克服できるようにと思ってやっていますね」と課題を口にした。
昨年12月に行われた入団会見ではガッキーと呼んでほしいとファンに向けてお願いしていたが、早速チームメイトからは“ガッキー”と呼ばれている。「何人かお話させていただいたんですけど、まだ入って数日しか経っていないので、慣れないところはありますね」。ただ、「元々知っている人も数人いたので、そういう人に色々聞きながらという感じですね」と徐々にチームに溶け込んでいるようだ。
髙部「強く振れていないと勝負にならない」
昨年規定打席に届かなかったものの、打率.300をマークした髙部瑛斗は、打撃練習で3球連続ライトスタンドに一発を放つなど、大きな当たりが多い。「バッティング練習は基本的に飛ばしに行くのでずっとやっているんですけど、強く振る意味もそうですし、強く振れていないと勝負にならないので、そこは最低限持ちながらやっている感じが今のバッティング練習ですね」。
昨年シーズン終盤に左手首を痛め手術をしたが、違和感なく振れているのか気になるところ。「今のところはほとんどなく。怪我した場所なので、いつ(痛みが)くるかわからないので、そこはしっかり丁寧にやろうかなと思います」と左手首の状態と向き合いながらやっていく。
取材・文=岩下雄太