

浮上のカギ握る「二塁・福永」の完成度
井上一樹新監督の下、低迷からの脱却を目指す中日。沖縄での春季キャンプから“ポジティブ・バトル”をテーマに掲げ、オープン戦はここまで3勝2敗と、まだ調整段階ながら明るい兆しが差し込んでいる。
チーム改革の目玉と言えるのが、二塁にコンバートされた福永裕基だ。昨季は主に三塁手として、規定打席未到達ながら打率.306をマーク。福永が“攻撃的な二塁手”としてハマれば打線の厚みは増す。背番号も『68』から『7』に変更。オープン戦はここまで全5試合「3番・二塁」でスタメン出場しており、打率は.250ながら出塁率.438、OPS.771と主軸として風格が漂い始めている。
福永との“新二遊間コンビ”の相棒として期待されるのが村松開人。こちらはオープン戦5試合中4試合で「2番・遊撃」でスタメン出場し、打率.385、出塁率.429とアピール。井上監督は春季キャンプ中から「レギュラーでやっていくという意識が見えている」と村松を評価しており、正遊撃手としての地位を固めつつある。
センターライン強化という視点では、正中堅手の大本命・岡林勇希の状態もいい。昨季は右肩痛で出遅れた影響もあり打率.256に終わったものの、守りでは守備率10割でシーズンを終え、3年連続となるゴールデングラブ賞を獲得。堅守に加え最多安打のタイトルを獲得した2022年のような打撃が戻れば得点力アップにつながる。
捕手ではドラフト4位で新加入した石伊雄太(日本生命)が自慢の強肩で存在感を発揮。練習試合を含めた直近の対外試合は3戦連続で盗塁阻止を披露しており、開幕スタメンマスクへ着々と前進している。
2024年の開幕スタメンを改めて振り返ると、センターラインは捕手・木下拓哉、二塁・田中幹也、遊撃・ロドリゲス、中堅・三好大倫という布陣。上述の4選手が揃って今季の開幕スタメンに名を連ねれば全ポジションでメンバーが入れ替わることになる。
ただ、開幕までまだ3週間以上あり「これからがバトル本番」と指揮官。二遊間では辻本倫太郎や土田龍空、外野では上林誠知や内・外野を守れる樋口正修や板山祐太郎もこれまでの実戦で結果を残しており、競争を煽りながらチームの完成度を高める。