球界屈指の万能型投手がNPBへ復帰!
今オフのストーブリーグの主役となっているのは、間違いなく楽天だろう。美馬学や嶋基宏らの主力選手が退団する一方、FAで鈴木大地、無償トレードで涌井秀章らを積極的に補強。さらには、サンディエゴ・パドレスから退団した牧田和久も獲得した。
メジャーリーグ1年目は27試合に登板して0勝1敗2ホールド、防御率5.40という成績を残し、2年目となった今季は、2Aと3Aで合わせて43試合に登板。メジャーでの登板はゼロだった。メジャーでは期待されたほどの成績は残せなかった牧田だが、西武時代は、在籍7年で53勝、25セーブ、54ホールドと起用法を問わない大車輪の活躍を見せた。
楽天にとっては大きな戦力となりそうだが、来季開幕時は35歳というベテラン投手でもある。年齢的な衰えも心配されるが、楽天において、過去、メジャーから戻ってきた選手たちはどんな成績を残しているのだろうか――。
以下は、メジャーリーグからNPBへ復帰し、楽天に入団した選手の「MLB最終年度」と「復帰初年度」の成績。楽天はこれまでに5名の元日本人メジャーリーガーを獲得していて、これは阪神、ソフトバンクの6名に次いで3番目に多い人数だ。牧田を獲得したことで、最多タイに並ぶことになる。
▼ 福盛和男<投手>
・MLB最終:4登板(0勝0敗)防御率20.25
・NPB復帰:35登板(7勝1敗 10S 4H)防御率2.18
※2009年復帰/開幕時の年齢32歳
▼ 藪恵壹<投手>
・MLB最終:メジャー登板なし
・NPB復帰:11登板(0勝0敗 2H)防御率4.91
※2010年復帰/開幕時の年齢41歳
▼ 松井稼頭央<野手>
・MLB最終:27試合(打率.141 0本塁打 1打点)
・NPB復帰:139試合(打率.260 9本塁打 48打点)
※2011年復帰/開幕時の年齢35歳
▼ 岩村明憲<野手>
・MLB最終:64試合(打率.173 2本塁打 13打点)
・NPB復帰:77試合(打率.183 0本塁打 9打点)
※2011年復帰/開幕時の年齢32歳
▼ 斎藤隆<投手>
・MLB最終:16試合登板(0勝0敗 2H)防御率6.75
・NPB復帰:30試合登板(3勝0敗 4S 4H)防御率2.36
※2013年復帰/開幕時の年齢43歳
投手では、福盛和男、斎藤隆がNPB復帰初年度も好成績をマーク。福盛の復帰した年齢は牧田と比べると3歳若く、復帰当時43歳だった斎藤隆はメジャーで7年に渡り活躍してからの帰国だった。
今季メジャー登板ゼロで2020年は35歳となる牧田とは事情が異なるものの、牧田の投球術は誰もが認めるところ。それは、複数球団が獲得に動いた事実が物語っている。MLBでの実績や年齢といった不安要素を払拭したサブマリンの再浮上に、期待したい。
文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)