『B魂』第4回:近藤大亮
春季キャンプ2日目、ブルペンでは闘争心を剥き出しにしてなげる近藤大亮の姿があった。プロ入り4年目の昨シーズンは52試合に登板し、キャリアハイに並ぶ26ホールドポイントを記録している。
昨オフの契約更改では、福良淳一GMと「中継ぎの評価」について話し合うなど、ブルペン陣を引っ張るひとりとして、リリーバーの現状についてもしっかりと考えている。
近藤は昨年9月9日、練習中にボールが当たり鼻骨骨折のアクシデントに見舞われ、そのままシーズンを終えた。「昨シーズンは調子の波が激しかった。変化球の精度が段々と上がってきたので投球の幅は広がったと思う」と振り返ったとおり、好不調の波はあったものの、三振を取れる変化球の精度が上がったのは大きな収穫だった。
それでも近藤は「調子が悪い時の内容が悪すぎる」と反省しきり。昨年の秋季キャンプでは「コントロールをつけるための下半身強化」に取り組み、自主トレでも「変化の精度と下半身強化」をテーマにトレーニングしてきた。
投げる闘争心
ケガによりルーキーイヤーを棒に振った近藤だが、3年連続で50試合以上に登板。「肩が緩いので緩めることなく投げ続けて、トレーニングも行っているので違和感はない」と体の使い方を考えながら、肩やヒジのケアをしている。
近藤自身は「(投げる)ポジションにこだわりはない」と語るが、コーチからは「ストッパーを狙うつもりで練習に取り組め」と言われるなど、その期待値は大きい。2020年は「どのポジションで投げようがチームのために1年間、フル回転で!60試合以上登板と、ストレートの回転数、2800回転(※MLBの平均が2200回転程度)を出します!」と力強く語ってくれた。
昨シーズンもアクシデントがなければ60試合程度は登板していたはず。早いイニングから試合に入れる近藤の存在は、今季のチームにとっても大きい。ブルペンに近藤がいる安心感は、ベンチもファンも同じだ。“投げる闘争心”近藤大亮が、今年もチームにアツイ熱を与えていく。
取材・文=どら増田